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りんごジュースとアップルジュースは違うの? 食品表示ルール、透明化手探り 食 これって常識?(上)

2011/2/15

焼き肉店のロース、実は一部がモモ肉だった――。昨秋、明らかになった業界独自の表示ルール。膨大な食の情報がちまたにあふれている今でも、まだ知られていない「常識」は数多い。一方、消費者の食生活の変化に伴い、味や食感をめぐるこれまでの「常識」が塗り替わりつつある。あなたはこの「当たり前」、知っていますか。

「りんごジュース」と「アップルジュース」。この違いは何?

佐賀大学の岩本諭教授は、食品表示にまつわる市民講座の冒頭でこんなクイズを出す。「ひらがな表記は国産、カタカナのアップルは、外国産の原料を使ったものが多い」と告げると、会場から驚きの声が上がることも。「表示のことをもっと正しく知りたい」という参加者もいる。

ある大手事業者が明かす。「確かにうちの果汁100%リンゴジュースは『りんごジュース』と『アップルジュース』の表示を使い分けてきた」。法的に定められたものではなく、事業者が原料が国産か外国産かを見分ける「了解事項」。一般の消費者が知らない表示のこうした「業界ルール」は少なくない。

あえて「無」強調

昨年10月、ロース肉以外の部位にも「ロース」と表示されていたことを受け、消費者庁は焼き肉業者の団体に改善要望を出した。部位ではなく「ロース=赤身肉、カルビ=霜降り肉」という業界独特の区分けがやり玉に挙がったのだ。

全国焼肉協会は「1976年には定着していたメニュー表示。『特上ロース』『赤身ロース』などを使い分けている」と割り切れない。しかし対立を避けるため、「ロース(この料理にはモモ肉使用)」といった部位名のただし書きを加えた表記を編み出した。

ロース問題の反応はおおむね、「今まで知らなかった。分かったところで気にならない」(39歳男性)といったもの。安全性に直結するわけでもない。とはいえ、「消費者が気づかない“業界常識”が明らかになったのは良いこと」と岩本教授は話す。

表示トラブルをきっかけに法改正を重ね複雑さを増してきた食品表示。近年には売れ行きを大きく左右する要因にもなっている。

ピエトロは昨春、試験的にドレッシング2種類のキャップに「コレステロール0」と表示した。表記前と中身はまったく変わらない。だが「ゼロ表示」が好感され、売り上げが前年同月比3割増の月もあった。

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