効果を感じた花粉症対策
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マスク・うがいでガード
花粉症の季節が近づいてきた。今年は花粉の飛散量が大幅に増える見通しだ。薬・食品の摂取や治療行為を除く、生活の中で工夫できる対策のうち、花粉症に悩む人は、どんな方法に効果を感じているのか。インターネットで調査した。
1位「マスク」、2位「うがい」、3位「手洗い」と、効果を感じる方法として多くの人が選んだのが、風邪予防にもよく出てくる対策だ。花粉の体への侵入を防ぐことが重要だ。
日本医科大学耳鼻咽喉(いんこう)科の大久保公裕教授は「普通のマスクをすると鼻の粘膜に付く花粉の量が3分の1弱になり、花粉症用のマスクだと6分の1に減る」と説明する。
15位「メガネをする」も効果がある。上や横にカバーが付いた花粉症用メガネを使えば、目に入る花粉が「3分の1強に減る」ほか、専用でない普通のメガネでも「6割に減らせる」。花粉の飛散量が多い午前11時~午後3時、午後5~8時を避けて外出するのも手だ。
2位「うがい」は、のどに入った花粉を取り除く効果がある。症状がひどい場合は、10位の「鼻洗い」がおすすめ。3位「手洗い」や9位「洗顔」、11位「目を洗う」など、家に帰ったら体に付いた花粉をこまめに取ることが欠かせない。
4位「窓閉め」、7位「帰宅時にはたく」、8位「室内干し」は花粉を家の中に入れない対策。花王・生活者研究センターによると「宅内に侵入する花粉の6割は窓や換気口からで、4割弱が外で干した洗濯物や布団から、衣類や髪からは2%強」。調査では上位に入らなかったが、換気口にフィルターを付けるのも効果があるようだ。
花粉症になっていない人も花粉にさらされ続ければ、かかる可能性が高まる。効果的な治療法や花粉を出さないスギの開発なども進んでいるが、普及までにはまだ時間がかかる。花粉症にならないためにも、日ごろの対策が大切だ。
調査の方法 まず事前調査として日経生活モニターを対象に、効果を感じている花粉症対策を自由回答で尋ねた。この調査や厚生労働省の関連資料などをもとに、花粉症対策として代表的な51の選択肢を用意。インターネット調査会社のマクロミルを通じて、「花粉症に悩んでいる」と答えた全国の成人男女を対象に、「過去に少しでも効果を感じた方法」などを選んでもらった。有効回答は1030(男女同数)。調査時期はいずれも1月中旬。ランキングに当たっては、治療行為と薬・食品の摂取は除き、その日からでも取り組みやすい36項目について順位をつけた。「花粉症で困ったこと」なども聞いた。
病院での治療 効果的 流行前の対策カギ
市販薬を使ったり、病院で治療を受けたりする人も多い。一般的に「市販薬は効き目が弱い割に眠気を引き起こしやすい」と千葉大学大学院医学研究院教授の岡本美孝さん。市販薬を2週間使っても治らない場合は、病院へ行くのがよいという。今回の調査でも、薬を含めた対策を聞いたところ「医者の処方薬を飲む」に効果を感じている人が多かった。
花粉症であることがはっきりしている場合は、流行前に医者にかかるのがよいという。「花粉が飛んでから症状が出るまでには時間差があり、対策が遅れるほど治療が難しくなる」(岡本さん)。花粉症の主な原因のスギ花粉は早い地域では2月上旬から飛ぶ。マスクの装着などを含め、先手を打って対策を講じよう。
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