日本初テーマ型パーキングエリア「星の王子さまPA」に遊ぶ

世界中で読まれている名作「星の王子さま」。この世界観を再現した日本初のテーマパーク型パーキングエリア(PA)が埼玉県深谷市にある。関越自動車道上り線の「寄居 星の王子さまPA」(電話0570・024・024)だ。改装に際し、運転の緊張感をほぐす「癒やし」をテーマにしようと企画、昨年誕生した。

「寄居 星の王子さまPA」には南仏プロバンス風の建物が並ぶ

高速道路からPAに入ると、目の前に現れたのは作者のサン=テグジュペリにゆかりのある南仏プロバンス風の町並みだ。店名や案内図はフランス語で書かれ、違う国に迷い込んだような錯覚に陥る。

ビュッフェ形式のレストラン「ル・プチ・プランス」はプロバンス地方の農家のダイニングをイメージした造りで、壁には鍋やハーブ、ローリエなどをつり下げた。用意するメニューはアンチョビーとオリーブなどが入った「ニース風サラダ」や、野菜をオリーブ油でいためてトマトで煮込んだ「ラタトゥイユ」など常時25~30種類が並ぶ。価格は大人1人あたり1280円で小学生未満は無料だ。土日には行列ができるという。

外の広場には軽食が取れるようテーブルやいすを用意。天気の良い日はゆっくりくつろげる。オムライス専門店では注文後に目の前で調理してくれる。カフェでは作者が生きた1930年代のブレンドを現代風に再現したコーヒーを販売している。

作品のファンにとってたまらないのは、店の壁などにフランス語でちりばめられた名ゼリフ。運営するセラム(東京・港)のスタッフの森智美さんは「どんなセリフがあるか探してみるのもおすすめ」と話す。フランス語が分からなくても土産物店には各種翻訳本があり、それを手掛かりに探せる。土産物店にはフランスを中心とした菓子類や、作品の絵柄がプリントされたコップなど関連商品がある。

作品の世界観を損なわないよう通常のPAにあるまんじゅうやたばこなどの商品を取り扱わず、コンビニエンスストアやうどん・そば店もない。村山和弘支配人は「普通の店はないのかと聞かれることも多い」と話す。客筋もトラック運転手から女性客や家族連れが中心に変わった。関越道を使って都内へ戻るときは一度立ち寄って非日常の世界を味わってみてはどうだろうか。

▼人気指数
○飲食店などの売り上げは2010年6月の改装後、約2倍に増えた
○マグカップなど「星の王子さま」関連商品の品ぞろえは500品目以上ある

[日本経済新聞朝刊2011年2月1日付]

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