保育士が足りない 重労働に低賃金…園新設が拍車

保育士不足に歯止めがかからない。都市部を中心に採用難が続き、採用しても数年で辞めていく。地域の子育て支援など保育士の役割は重くなっているが、賃金などの待遇は改善されないまま。待機児童の急増で保育園の新設を急ぐ自治体は保育士確保に頭を悩ませる。子育て支援を求める親たちにとっても切実な問題だ。

親の相談相手も

首都圏では新人保育士の獲得競争が激しくなっている(さいたま市の茶々すずや保育園)

「朝から電話が鳴りっぱなしです」――。名古屋市の「けやきの木保育園」。一時保育の予約日は、電話が殺到する。「保育園に入れない子が地域にあふれていると実感する」と男性保育士(32)は話す。この保育園では週5日、園内を開放しており、地域の母親らが子どもと訪れる。子育てに悩み、居場所がない母親らの相談に応じることも。「保育士は保育園の子だけでなく、地域の子育て支援も求められ、負担は重くなっている」(名古屋市保育企画室)

さらに保育士たちは親への対応にも追われている。愛知県内のある保育園では子どもの様子を書く「連絡ノート」の中身が最近、変わってきたという。仕事の悩みや夫へのグチなどをびっしり書き込む母親が目立つのだ。「ノートが自分の気持ちを吐き出す手段になっているようだ」(女性保育士)。子どもだけでなく、親を支えることまで期待され、現場の疲労感は募る。

延長保育や休日保育など勤務も長時間化しており、疲れ切った保育士が辞めるケースが相次ぐ。一方、保育園も新人の採用に頭を悩ませる。

注目記事
今こそ始める学び特集