働き方・学び方

イチからわかる

果物が甘くなったってホントなの 味覚に合わせ新品種

2011/1/11

「お正月におばあちゃんの家に新年の挨拶に行ったら、デコポンより甘いミカンのような果物がおやつに出たよ」。事務所に来た小学生、国本玄輝の話に探偵の深津明日香が興味を示した。「果物が甘くなっているのかな。調べてみましょう」

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果物売り場では糖度を表示する値札などが目立つ(イトーヨーカドー大森店)

まず実態を調べようと、2人は都内のスーパー5店を巡った。どのスーパーでも、入り口の正面にはデコポン、ミカン、リンゴ、イチゴといった定番がずらり。その周りには「紅まどんな」「はれひめ」など見慣れないかんきつ類が並ぶ。「僕が食べたのはこれだよ」と玄輝。「昔からのハッサクや甘夏はどこにいったのかしら」と明日香には疑問がわいた。

そこに食品スーパー、クイーンズ伊勢丹(東京・新宿)で全店の果物の仕入れなどをする大内田道治さん(47)が声をかけてくれた。「甘い新品種が次々と登場し、果実売り場が様変わりしているのですよ」

「デコポン級」続々

甘さの程度は果実の中に含まれる糖分の量(糖度)で示し、かんきつ類では12度以上で甘みを強く感じる。デコポンは13度以上しか市場に出荷しないことで一躍有名になった。最近の品種改良でデコポンに匹敵するような品種が相次いで生まれている。先ほど2人がみた「紅まどんな」もそんな新品種の一つだった。

「果物全般に甘くなっています」と大内田さん。イチゴは約20年前に8度前後が主流だったが、最近の売れ筋は11~12度。この水準になると練乳や砂糖をかけなくても甘みが直に感じられる。リンゴやブドウ、桃なども同じ傾向という。「昔なら高級フルーツ店でしか味わえなかったような、甘みたっぷりの果物もスーパーで扱っています」

「なぜ甘くなったの」。玄輝の質問に果物の生産者団体、日本園芸農業協同組合連合会の松本務さん(52)が説明してくれた。「糖度計の導入で生産技術がレベルアップしたのです」

糖度計があれば収穫した果物の甘みが歴然。甘みがあるほど評価され、高級品のミカンは普通のミカンの2倍以上の値が付く時もある。農家は競うように生産技術を磨くようになった。

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