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歴史博士

歴史雑誌も「戦国時代」に

2011/1/7

歴史博士

「歴史人」は歴史ファン以外の読者取り込みも目指す

歴史雑誌の創刊が相次いでいる。歴史ブームで増えた新たなファンに対応し、中高年向け男性読者に加え、歴史好きな女性「レキジョ」の獲得も目指す。イラストなどを多用して親しみやすさを前面に打ち出すほか「ゲーム・アニメ連動型」や「定説再検証型」など、独自色を競い合っている。

老舗の「歴史読本」(新人物往来社)など数誌がすみ分けていた歴史雑誌の分野に、2010年秋以降、一気に3誌が創刊した。

「歴史REAL」はコンビニでの販売拡大を狙う

9月に先行した「歴史人」(KKベストセラーズ)は中高年向け雑誌「一個人」の特集部門が、新たに月刊誌として独立した。昨年末は姉妹誌の一個人が「戦国の姫君を歩く」を、歴史人が「お江の真実」を特集し、相乗効果を狙った。販売部数は17万~18万部だという。

12月創刊の「歴史REAL」(洋泉社)は「戦国合戦を科学する」という特集を組んだ。織田信長の火縄銃3連射は実際には可能だったのか? 射撃シーンを映像化したDVDを付録にした。「ブームで生まれた新たな歴史ファンを完全に取り込むのが狙い」(渡辺秀樹編集長)。5万部を発行し、3月に第2弾を出版する。

季刊誌「歴史魂」(アスキー・メディアワークス)はゲーム連動型。12月の創刊号はレキジョに人気の高い石田三成を特集した。約6万部で約55%は女性読者だ。雑誌の内容をデジタルデータ化し、将来の電子書籍化をにらむ。

ゲーム作品と連動し新たな読者開拓をはかる「歴史魂」

歴史ジャンルは出版業界で数少ない成長分野だ。ここ数年で歴史雑誌の発行部数は2割以上伸びたという。ただ先行きについては「竜馬ブームは終わり、戦国ものも一巡した感じ」(高橋伸幸・歴史人編集長)などと、厳しい見方をする関係者も多い。

新たな販売戦略を打ち出したのが歴史REAL。販売部数の5割をコンビニエンスストア向けに投入した。写真をふんだんに使い、コンビニに立ち寄る若い男性層が手に取りやすいよう工夫している。

歴史人もイラストやCG(コンピューターグラフィックス)を使ってビジュアル化を進める。「トップの1誌しか生き残れないかもしれない」(高橋編集長)との危機感は強く、群雄が天下を求めて争う戦国時代になっている。

(電子整理部 松本治人)

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