尿漏れに効果のある漢方薬は?

2010/12/13

Q 43歳、主婦です。ここ数年、体重が増えたため、エアロビクスに通い始めました。インストラクターの指示通りに力を抜いたジャンプを繰り返していたら、尿が少しずつもれてきました。その後も、咳(せき)やくしゃみをするたびに同じようなことが起きます。先日も子供の運動会で一緒に縄跳びをしていたら、尿もれが止まらずに大変ショックでした。

A 質問者には3人の子どもがおり、最初の子の出産が難産だったそうです。第3子出産後から時々尿失禁を感じて悩んでいたといいます。

これは腹圧性尿失禁といわれるもので、高齢者に限らず、出産経験の多い女性などに多いことがわかっています。

加齢や運動不足、妊娠や出産により骨盤の底の筋肉がゆるむことが主な原因とされています。泌尿器科では膀胱(ぼうこう)の出口にある括約筋や骨盤底にある筋肉の緊張を高める薬や体操の指導が行われます。これらの効果がなく日常生活に支障が多い時には手術も考慮されます。

漢方にも筋肉の緊張を調節する薬があります。最もよく使われるのが補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。葛根や芍薬(しゃくやく)にも筋肉の緊張を調節する働きがあるので葛根湯(かっこんとう)も用いられます。

質問者は冷え性や腰痛もあるので、葛根加苓朮附湯(かっこんかりょうじゅつぶとう)を処方したいところですが、簡単に飲めるエキス剤がありません。葛根湯と真武湯(しんぶとう)の併用が選択肢の1つになります。

(北里大学東洋医学総合研究所所長 花輪壽彦)

花輪壽彦(はなわ・としひこ) 1980年、浜松医科大学卒業、浜松医大第一内科にて研修。82年、北里研究所東洋医学総合研究所に移る。同研究所漢方診療部長、所長補佐を経て、96年に同所長。2008年4月、研究所と大学の法人合併により、北里大学東洋医学総合研究所所長、および同大学院教授(東洋医学)。厚生労働省薬事食品衛生専門委員、世界保健機関(WHO)伝統医学協力センター長などを兼務。山梨県出身。