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東は佐藤…西は藤田…「○藤」と「藤○」の謎 編集委員 小林明

2010/12/10

今回も「名字の不思議な勢力分布」を続ける。

前回は佐藤、伊藤、加藤など「藤」が下につく「○藤」という名字が、自分の領地や職業から取った文字と、藤原の「藤」を組み合わせながら誕生したという歴史を紹介した。

では、逆に「藤」が上につく「藤○」という名字はどうやって生まれたのだろうか?

そもそも、「○藤」と「藤○」との間には何かの因果関係があるのだろうか?

そんな疑問を抱いて取材を始めたところ、漢字研究で知られる早稲田大学教授の笹原宏之さんが、興味深い話を教えてくれた。

「実は『○藤』と『藤○』の東西の勢力分布を、夏の高校野球の甲子園球児の名字を使って調べてみると、面白いですよ……」

早速、笹原さんからアドバイスを受け、全国高校野球選手権大会の代表校の登録選手(18人)と監督の名字について、第92回(2010年)から第88回(2006年)までの最近5年分をさかのぼり、「○藤」と「藤○」の分布図を独自に作成することにした。

その東西勢力分布をまとめたのが図1である。(関ケ原から飛騨山脈、親不知までを結んだ線を境界と定め、東西分布を集計した)

「○藤」は東日本が175人(「○藤」全体の76%)、西日本が54人(同24%)で東日本に圧倒的に多く、一方の「藤○」は東日本が21人(「藤○」全体の36%)、西日本が38人(同64%)で逆に西日本に多いという構造が浮かび上がった。「○藤」は東日本に、「藤○」は西日本に一大勢力圏を形成しているわけだ。

都道府県別に調べてみると、その傾向はさらに鮮明になる。

「○藤」の名字が最も多かったのは福島県(17人)。次いで宮城県(16人)、秋田県(14人)、北海道(12人)、山形県(12人)、東京都(12人)、千葉県(11人)などの順。東北を中心に東日本に多く分布している。

一方、「藤○」の名字が最も多かったのは山口県(5人)。次いで岐阜県(4人)、富山県(3人)、福井県(3人)、熊本県(3人)、鹿児島県(3人)などの順。やはり西日本に多く分布していることが分かる(表2)。


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