宮内庁調査官が明かす「896の聖域」 天皇陵の真実

2010/11/27
天皇陵特有の墳形とされる八角墳と分かり、「斉明天皇陵では」との見方が強まっている牽牛子塚古墳(奈良県明日香村)

――陵墓への立ち入りは厳しく制限されている。ただ3年前から研究者からの要望に応じて墳丘への立ち入りを認めるなど、緩和の動きもある。どのような考え方か。

「保全・補修工事に伴う調査現場の見学を認めるようにした1979年、『立ち入り対象は古墳に限り、入れるのは史学系の研究者のみ。範囲は外堤部まで』という内規を設けました。当初は外堤部の保全・補修工事をしていたのですが、平成になって墳丘のすそ部を手掛けるようになりました。内規とは違うのですが、その場合も現場見学を認めていました。また地元自治体から動植物の調査や濠の水質調査の要望が来るようにもなりました。内規と実態が合わなくなったので2007年、改訂に踏み切りました。陵墓すべてを対象とし、研究者の専門分野の枠を無くしました。範囲も墳丘の1段目まで広げました」

――さらに公開の枠を広げる考えは。

「墳丘1段目より上は、埋葬施設になっている例もあり、今後も立ち入りを認める考えはありません」

――外部の調査機関と共同で発掘調査はしないのか。

「陵墓の調査は職員が行うのが原則ですが、外部の調査を認めた例もあります。例えば宮崎県の男狭穂塚(おさほづか)と女狭穂塚(めさほづか)の陵墓参考地では04~08年、外堤部や墳丘すそ部などの地中レーダー探査を県教育委員会に許可しました」

「今月12日に現場を公開した三吉陵墓参考地(新木山古墳、奈良県)では、地元教育委員会と協議して、陵墓の境界を挟んで調査区を連続的に設定しました。08年、陵墓参考地の百舌鳥御廟山古墳(大阪府)でも、このような調査を行いました。地元から相談があれば、その都度検討して応じていく考えです」

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