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健康・医療
体のシグナル

子宮腺筋症、強い月経痛を伴う

2010/11/9

体のシグナル

町田亜希子さん(43、仮名)は3年前ぐらいから月経痛がひどくなり、通常の鎮痛剤がまったく効かなくなった。超音波検査で子宮の前壁が分厚いことがわかった。子宮腺筋症の疑いがあるといわれた。

子宮腺筋症は子宮内膜症、子宮筋腫とともに30代、40代によくみられる病気だ。子宮の大きさから見ると子宮筋腫に似てるが、組織的には子宮内膜症と類似する。

子宮内膜症では子宮内膜が子宮以外の骨盤腔にあるのに対し、子宮腺筋症では子宮筋層に層状に存在する。月経時に同時に局所で炎症を起こすため、強い月経痛を伴う。また、炎症の繰り返しにより、子宮筋層は器質化し月経量が増える場合がある。

超音波検査では子宮筋腫とは異なり、境界不明瞭(ふめいりょう)な筋層の肥厚像としてうつる。磁気共鳴画像装置(MRI)検査では子宮のびまん性肥厚、点状出血、子宮内膜下の疎(まばら)な部分の消失が特徴的で、子宮筋腫とは明確に区別できる。

病変は閉経後に変性し、ほとんど無症状となる。

治療は出産・妊娠を希望するかどうかで異なる。希望する場合は、不妊治療を優先し、希望しない場合は軽症だと鎮痛剤、中等、重症の場合はプロゲステロン製剤の漸増的、または周期的投与、低用量ピルの投与を考える。症状がひどい場合、子宮摘出にふみきるケースも少なくない。

町田さんはプロゲステロン製剤の漸増的投与後に周期的に投与している。症状によっては手術も致し方ないと考えているようだ。

(田坂クリニック婦人科・内科院長 田坂 慶一)

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