床ずれや、リハビリへのモチベーションアップに効く漢方薬は

2010/11/7

漢方道場

Q 69歳の夫のことで相談します。3年前に脳梗塞(こうそく)で倒れ、右側の手足が不自由になりました。初めはリハビリで少しずつよくなり、不自由ながら歩くこともできましたが、昨年再び、軽い脳梗塞を起こして以来、リハビリへの意欲がなくなりほとんど寝たきりの状態です。床ずれが出始め驚いております。リハビリへのやる気がでる漢方薬や床ずれに効く漢方薬はありますか。

A 高齢化社会になって脳梗塞後の麻痺(まひ)やしびれ、脳の機能低下で悩んでいる人は非常に増えています。脳梗塞や脳出血後の初期によく用いられる漢方薬が、続命湯(ぞくめいとう)です。まさに、命を続けるための処方で、今でも初期の麻痺やしびれに使われます。

出血後しばらくたったもの場合には、小続命湯(しょうぞくめいとう)や疎経活血湯(そけいかっけつとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などが使用されます。

脳梗塞後の意欲低下には釣藤散(ちょうとうさん)や黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)などの処方があります。床ずれには塗り薬の紫雲膏(しうんこう)がとてもよく効きます。

漢方薬には循環をよくするものがたくさんあります。今後、健康診断時に磁気共鳴画像装置(MRI)を使った検査などで無症状の微小な梗塞がみつかったら、大きくならないよう早めに桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など漢方の循環改善薬の服用をお薦めします。

(北里大学東洋医学総合研究所所長 花輪壽彦)

花輪壽彦(はなわ・としひこ) 1980年、浜松医科大学卒業、浜松医大第一内科にて研修。82年、北里研究所東洋医学総合研究所に移る。同研究所漢方診療部長、所長補佐を経て、96年に同所長。2008年4月、研究所と大学の法人合併により、北里大学東洋医学総合研究所所長、および同大学院教授(東洋医学)。厚生労働省薬事食品衛生専門委員、世界保健機関(WHO)伝統医学協力センター長などを兼務。山梨県出身。
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