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「ヤドカリ家族」増加 子育ての利便性求め住み替え

2010/11/2

子育ての利便性を求めて住み替える“ヤドカリ家族”が増えている。都市部で待機児童の増加が切実さを増し、保育所確保のために引っ越しを繰り返すケースも。世帯収入を維持しようと、妻が働きやすい環境を整えることに夫が前向きになり、定住にこだわらず好条件の住まいを求める、という意識の変化がある。

リクルートが全国で87万部配布する無料住宅情報誌「スーモマガジン」。最近ヒットしたテーマは「子育て」に焦点を当てた地域や物件の特集だ。

遊び場があり友達ができやすい郊外のニュータウンを紹介した「子育てタウン」特集や、自治体の公園数や保育料など35項目を比較した「子育てしやすい街ランキング」特集は20~30代の子育て世帯に好評。取り上げた物件には通常の5倍の見学者があった。

転居で問題解決

同誌の池本洋一編集長は「共働きが増えて子どもと過ごす時間が減り、子育ての不安が増大。その悩みに注目した問題解決型の住み替えに関心が集まっている」と話す。

以前から出産や小学校就学時を機に住み替える人はいた。ヤドカリ家族がこれまでと異なっているのは共働きが前提で、子育ての利便性を考えて頻繁に転居する点だ。

福田美由紀さん(38)は2003年12月に長男を出産。外資系金融機関に勤務し、1年で職場復帰する予定だった。「保育所が多いところに越さなくては」と妊娠7カ月ごろから探し始め、夫婦で5つの自治体、20カ所近い物件と保育所を見て回った。

ようやく臨月のとき、会社からタクシー料金1200円程度の距離にあり、1階に東京都が独自の基準で運営する認証保育所が入居している賃貸マンションへ転居。会社の急な呼び出しにも対応できる近さで選んだ。その保育所へ入所し、長男が5歳になって3軒隣の物件へ引っ越した。

今後は子どもが公立小学校に入学するなら同じ区内で家を探し、私立なら転居も辞さない。「家を購入してもいいが、一生住む前提ではない。夫も私も転勤の可能性がある。また住み替えると思う」

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