2010/10/27

暮らしの知恵

遊ぶ環境窮屈に

子供の遊ぶ環境が窮屈になっていることも悩みだ。東京都品川区在住の小3女児の母親(37)は「子供が小学校に入ったばかりのころ、共働きで両親が不在の家庭に子供が上がり込んで遊んでいたことが問題になり、保護者会で事前に約束してから遊ぶよう言われた。それから子供は家で本を読んだりして過ごしていることが多い」と話す。

子供を歩かせる工夫は広がっている。処方せんの一つは学校の始業前と休み時間の活用だ。大阪市の市立矢田東小学校では8時ごろから続々と教員が登校し、校庭で子供たちと遊ぶ。休み時間も職員室にいる教員はいない。

「教員は若手を中心に教育委員会が主催する体育実技研修会に参加している。バレーボールの上手なトスの仕方や、速く走る方法など、運動の具体的なコツを教えられるので、生徒に声をかけ、どんどん校庭に出るようになった」と前川憲正校長。「30分程度歩くだけで疲れてしまう子供が多かった遠足が様変わりした」と効果を実感している。

親も参加している。秋田県では親と学校の取り組みが子供の体力向上につながった。「てくてくとくとく歩いて学校へ行こう運動」として、スクールバスを学校から少し離れた場所で止めたり、学校周辺まで送迎しないよう親に呼びかけたりして、登下校時に生徒を歩かせている。子供の安全を守るために地域で「見守り隊」も結成した。

地方の子供の運動量確保は難しいといわれる中、秋田県は文部科学省の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」でトップクラス。体力が付いただけでなく、早起きして朝食を食べるなど、子供たちの生活習慣の改善にもつながっているという。

東海大学体育学部の小沢治夫教授は「子供を歩かせるには、一つの家庭の取り組みだけでは限界がある。他の保護者や地域社会を巻き込んだ取り組みが必要」と話している。

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