“つゆもの”だけではない。スナック菓子にも、味にれっきとした東西の境界線がある。

代表例がカルビーの「ポテトチップス」だ。

〈図2)と〈図3〉を見てほしい。「ポテトチップス」(しょうゆ・のりしお)のそれぞれの味の分布である。

まず「ポテトチップス」(しょうゆ)。

〈図2〉を見ると、大まかに関ケ原や飛騨山脈、親不知を境界に東西に味が分かれているのが分かる。「しょうゆの味や好みは地域ごと異なるため、ポテトチップスの中でも特に地域差が出やすい」とカルビーの担当者。

新潟、長野、福島よりも東側の「東日本」で販売しているのが北海道産のバターを使った「バターしょうゆ」。「北海道」では地域限定で日高産昆布を使った「こんぶしょうゆ」も販売している。同社によると「バターなどの乳製品は東日本で好まれる傾向がある」らしい。

京都、滋賀、奈良、和歌山よりも西側の「近畿」ではカツオ節、ホタテ、昆布、豚肉、鶏肉、みりん、梅などのエキスを使い、だしをきかせた「関西だしじょうゆ」、「中四国・九州」では地鶏、昆布、ネギなどのエキスを使った「九州しょうゆ」を販売している。

つまり、西に向かうほど、畜肉や昆布のだしが好まれている様子がうかがえる。これも、和風カップめんやおでんの味の分布とよく似た傾向になっている。

「関東」と「中部」が“空白地”なのは、かつて、それぞれで販売していた「江戸前しょうゆ」と「手羽先味」が、その後、販売を打ち切ってしまったためだ。とはいえ、東西の味覚の境界線は大きくは崩れていない。

次に「ポテトチップス」(のりしお)。

〈図3〉を見ると、太平洋側はやはり関ケ原が境界になっている。一方、日本海側では福井よりも東を「東日本」と位置付けている。これまで見てきた東西境界線よりもやや西にずれた格好だ。この“誤差”は、営業エリアや物流体制などのくくりの違いによるためと考えられている。

「ポテトチップス」(のりしお西日本版)は瀬戸内海産の青ノリのほか、カツオ、オニオン、昆布などのエキスを使い、だしの風味を強めたのが特徴。「西日本のだし文化に対応した」(同社)という。

→次は明治製菓「カール」の“東西格差”について。

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