「常用漢字表」改定 どうなる?「しょうがい」表記

文化審議会では改定常用漢字表を答申する前に、2度にわたり漢字表試案に対する意見募集を行いました。いずれも追加希望の上位に挙げられたのが「碍」の字でしたが、最終的に「碍」は答申に入りませんでした。
「障がい」と交ぜ書きで表記する例も(都内の歯科)

寄せられた意見の中には「障害の『害』は好ましくない」「『害』はマイナスイメージだが、『碍』は中立的イメージ」といった「障害者」の表記を「障碍者」と改めるよう求めるものが多くありました。障害者団体など関係者からの声であるだけに切実な思いが読み取れます。意見募集の後、文化審の漢字小委員会では「碍」について取り上げ、審議しました。

しかし、「出現頻度が低い」「『碍』にも否定的な意味がある」などの理由から、「碍」の漢字表への採用は見送られました。「障碍(しょうがい)」は古くは「しょうげ」と読み、「ものごとの発生、持続などにあたってさまたげになること。転じて、悪魔、怨霊などが邪魔をすること」(日本国語大辞典第2版)という意味があるのも考慮されました。関係者が望む「碍」も中立的な意味ではないようです。

内閣府の「障がい者制度改革推進本部」では、現在「障害」の表記の在り方を検討しているところです。9月にはホームページ上で「障害」の表記について意見募集が行われました。「障碍」か「障がい」か「障害」のままなのか。全く違う呼び方になる可能性もあります。同推進本部が「障碍」が望ましいと決めた場合、文化審は「碍」の採否について改めて検討することになっています。「碍」が2137字目の常用漢字になるかもしれません。

(小林肇)

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「碍」が追加される可能性も

氏原基余司・文化庁文化部国語課主任国語調査官の話 「碍」については、告示の前後にかかわらず追加される可能性があります。答申でも「2度の意見募集に際し、関係者から追加要望のあった『碍(障碍)』は、上述の字種選定基準に照らして、現時点では追加しないが、政府の『障がい者制度改革推進本部』において、『障害の表記の在り方』に関する検討が行われているところであり、その検討結果によっては、改めて検討することとする」とされています。「碍」の採否については、常用漢字の問題というよりも、今後の社会の在り方として、どのような表記をしていくのが望ましいのかという、社会政策の観点から検討されるべき問題であろうというのが答申における基本的な認識です。

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