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働き方・学び方
イチからわかる

2010/10/12

イチからわかる

新たな「難関」

「最近、理工系の学生の間で人気が高まっている資格に、アクチュアリーがありますよ」。2人が振り向くと、人材コンサルタント会社、庄司キャリアコンサルティング(埼玉県川口市)の庄司佳子さん(48)が立っていた。「司法試験や公認会計士をしのぐ難関試験との評価も出ています。これからの注目資格です」

アクチュアリーとは保険や年金の仕組みを作る専門家のことで、日本語では「保険数理士」などと訳される。昔は生命保険会社や銀行などに就職した後に勉強を始めるのが普通だった。今では受験者の約1割が大学生や大学院生という。

まず大学院入試レベルの数学や経済学など1次試験を突破する必要がある。最終合格まで7年程度かかる長丁場の試験だが、在学中に1科目でも合格すれば就職活動で大きな武器になるという。国際的にも認められる資格ということも学生の意欲をくすぐるらしい。

事務所に戻った玄輝が「僕もたくさん資格試験を受けて立派な社会人になるぞ」と意気込むと、所長がくぎを刺した。「それより明日の算数のテストは大丈夫かい。目の前のことをきちんとやるのがなんでも基本だよ」(畠山周平)

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<ケイザイのりくつ>研修の一環 社員に講座も

資格取得を目指して継続的に勉強することは、自分の励みにもなるし、仕事をこなす能力を高めることにもつながる。「幅広いビジネスの知識が身につくため、研修の一環として中小企業診断士の講座を社員に受けさせる企業もある」(TAC講師の遠藤直仁さん)

仮に試験に合格しなくても、学んだ内容が無駄にならないのが仕事関連の資格の強み。矢野経済研究所(東京・中野)によると、2010年度の資格取得予備校の市場規模は2500億円で昨年度より5%膨らむ見通し。最近は会社の仕事に生かしやすい会計関連の講座が人気という。

[日経プラスワン2010年10月9日付]

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