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大学中退8人に1人 自立に悩む「大1の壁」

2010/10/4

 周囲になじめない、大学でやりたいことがない――。様々な理由から大学を中退する若者が目立つ。特に高校生活とのギャップに悩み、初年度に辞めてしまう「大学1年の壁」が浮き彫りになってきた。中退後、ニートやフリーターになる例は多く、対策が急がれている。

カタリバの授業では、先輩学生の体験談などを聞いて身近な目標を見つける(東京都小平市の嘉悦大学)

 「なぜ辞めたんですか」。特定非営利活動法人(NPO法人)NEWVERY(東京都豊島区)は2008~09年、大学などを中退した約100人から聞き取り、理由を探った。ある女性は友人らに勧められ大学の経済学部に入ったが、「計算が嫌いで授業が面白くない」と1年で退学した。同法人の小林明日香さん(20)は「学校に愛着を持つ人が少なく、簡単に辞めてしまう」と話す。

 同法人は6月、結果を「中退白書2010」としてまとめた。大学の中退の全容を示す統計資料はない。日本私立学校振興・共済事業団(東京都千代田区)の資料などをもとに同法人が試算したところ、全国の大学、短大、専門学校の中退者数は約11万7000人、大学入学から卒業までの中退率は12.1%。8人に1人が中退する計算だ。

フリーター化も

 労働政策研究・研修機構(東京都練馬区)の調査(06年、首都圏の18~29歳の男女2000人が対象)によると、大学などを中退した直後の約6割がフリーターなど非正規雇用、約17%が失業・無職だった。若者の働き方は社会問題となり、中退を個人の自由といってはいられない。学習意欲の喪失や人間関係など中退の理由は様々。浮かび上がるのは自立を求められて突き当たる「大学1年の壁」だ。

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