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「食べずに捨てる」 未使用食品の廃棄が増加 世田谷区で年4600トン

2010/9/28

ごみ袋から手つかずの野菜や納豆がごろごろ――。まだ食べられるのに買った状態のまま捨てられる食品が増え、問題視されている。節約志向によるまとめ買いが廃棄を促している面もあり、家庭で買い方を見直したり、企業が余った規格外食品を寄付したりと、対策が広がってきた。

缶入りで丸ごと

家庭ゴミを調査すると手つかずの食品が大量に出てきた(京都市)

「えっ、また?」。2009年の暮れ、東京都のマンションオーナーの女性(60)はごみ出し場を見てため息をついた。捨てられていたのは贈答用の箱に入ったウイスキーとワインで真新しいまま。

これまでも1リットル入りのジュース数本や、のりやお菓子の詰め合わせが缶ごと捨てられている場面に遭遇した。マンション住人には20~40代の単身者や夫婦だけの世帯が多い。「手をつけていない弁当が捨てられていたこともある」と憤る。

未使用のまま捨てられた食品がどれだけあるのか、東京都世田谷区は今年5月、初の実態調査に乗り出した。区内8カ所で集められた家庭から出る可燃ごみを調べたところ、未使用の食品は全体の2.7%。これを同区の年間の家庭ごみの量に換算すると、約4600トンにもなる。「パック入りのすし、青々とした野菜、袋に入ったままの小麦粉など、まだ食べられそうなものが多くあった」(同区の清掃・リサイクル部)

しかも「食べずに捨てられる食品は増加傾向にある」と言うのは約30年間、京都市の家庭ごみの内容調査を続けている、石川県立大学生物資源工学研究所の高月紘教授だ。07年度の詳細調査でみると、手をつけていない食料品の割合は生ごみ全体の約22%。5年前の2倍だ。

気になるのは、その賞味・消費期限。捨てられた食品のうち賞味・消費期限内のものが21.3%、期限から1週間以内のものは28.7%あった。「約半分が食べられる状態。安全性や鮮度を気にしてすぐ捨ててしまう」と高月教授は指摘する。

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