夏休みの宿題、なぜギリギリになる人が多いの?

「夏休みの宿題、どうしていつもいつも最後まで残るんだろう」。小学生、国本玄輝の独り言に探偵、深津明日香が読んでいた新聞から顔を上げた。「それって何か深い理由があるのかも。一緒に調べてみましょう」

実態をつかむため、2人は調査会社、電通リサーチの富山英児さん(52)を訪ねた。「夏休みの宿題について調査したと聞きましたが」。明日香の問いかけに富山さんは「小学生の子どもを持つ両親を対象にした一昨年の調査のことですね」と資料を見せてくれた。

「前半で」計画倒れ

「全体の6割強の人が夏休み前半までに宿題を終わらせたいといっていました。ところが……」。なんと実際には約3人に1人、34.9%が最終日ぎりぎりまでかかったと答えていた。

「計画倒れの人ってやっぱり多いんだ」。公園で2人があれこれ話していると、隣のベンチの人が声をかけてきた。「その話なら面白いデータがここにありますよ」。科学書などを売る学研マーケティングの西村文孝さん(33)だった。

「これは学研で出しているニューワイド図鑑の売り上げのグラフ。山が2つあるのが分かりますか」。西村さんによると最初の山は夏休み前に宿題に備えて購入しているケース。後の山は夏休みもだいぶたってから焦って購入しているケースの可能性が高いという。

「追い込まれないとやらない人が多いことはわかったけれど、一体どうして」。事務所に戻った2人が話していると「それを理解するには、行動経済学という新しい経済学の知識が役立ちます」。事務所に遊びに来ていた京都大学教授の依田高典さん(45)だった。

今それをやった方がいい、早くした方がいいと分かっていながら、それを後回しにしたり、先送りしたりしたことは誰しも思い当たる。「最近の行動経済学の研究で、そういう人が結構たくさんいることが分かってきました」

例えばダイエット。やせようと一大決心しても、その実行を先送りしてとりあえずいつも通りにケーキを食べてしまうようなタイプの人のことだ。宿題を先送りしてしまう小中学生も同じタイプなのだという。

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