健康・医療

漢方道場

男性更年期障害に効く漢方薬は?

2010/8/30 日本経済新聞 電子版

Q 46歳男性です。中学校の教師をしています。現在、うつ病で休職中。先日ある新聞に「LOH症候群」とよぶ病気の記事を読みました。症状がすべてあてはまるので受診したところ、男性ホルモンは正常とのこと。八味地黄丸(はちみじおうがん)という漢方薬がよいと聞いて服用していますが、食欲がなくなり下痢をします。ほかに何かよい漢方薬はありますか。

A LOHは「Late・Onset・Hypogonadism」の略で「加齢男性性腺機能低下症候群」と訳されます。以前、「男性更年期障害」と呼ばれたものとほぼ同義です。

主な症状は「体全体の疲労感」「関節や筋肉の痛み」「ひどい発汗」「夜間の不眠」「昼間の眠気」「いらいらする」「神経質になった」「不安感(パニックになる)」「行動力の減退」などです。

質問者はカウンセリングや抗うつ剤も服用しているが経過が思わしくないとのこと。漢方では「腎虚(じんきょ)」と呼んでいます。

腎虚を治す代表的な漢方薬は八味地黄丸ですが、胃腸の弱いタイプの人には向きません。古典に「悲傷して楽しまず、陰痿(いんい)のもの」には竜骨湯(りゅうこつとう)がよいとあります。胃腸の弱いタイプの人にはこの処方をまずお薦めします。

(北里大学東洋医学総合研究所所長 花輪壽彦)

花輪壽彦(はなわ・としひこ) 1980年、浜松医科大学卒業、浜松医大第一内科にて研修。82年、北里研究所東洋医学総合研究所に移る。同研究所漢方診療部長、所長補佐を経て、96年に同所長。2008年4月、研究所と大学の法人合併により、北里大学東洋医学総合研究所所長、および同大学院教授(東洋医学)。厚生労働省薬事食品衛生専門委員、世界保健機関(WHO)伝統医学協力センター長などを兼務。山梨県出身。

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