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イチからわかる

工場見学なぜブーム? 身近で手軽、知的好奇心も刺激

2010/8/23 日本経済新聞 電子版

「工場見学がちょっとしたブームよ。友達も大勢、お父さんたちと行っているわ」。小学生、伊野辺詩音の話に探偵の松田章司が興味を示した。「社会科見学で僕も子どものころに行ったことがあるけれど、なぜ人気が出ているのだろう」
高速で卵を割って黄身を取り出す機械の見学で人気(キユーピーの五霞工場)

現場に足を運ぶのが探偵の基本。2人はキユーピーの五霞(ごか)工場(茨城県五霞町)を訪れた。広い敷地の中には専用の見学コースがある。最初、アニメでマヨネーズについて教わり実際の見学へと進んだ。

6工場で年10万人

「すごいスピード」。詩音が歓声を上げた。ガラス窓の向こうでは機械がマヨネーズ用の卵を割り、黄身だけを取り出している。その速さは1分間に600個。「よく殻が入らないもんだ」と章司も感心した。

見学後はドレッシングの試食があり、新製品などの土産までもらえる。子ども2人を含む家族4人で埼玉県蓮田市から訪れた佐藤礼子さん(38)は「知らないことも多く大人でも楽しめました。予算もかからず、また来たいです」と感想を話してくれた。

工場には企業が長年蓄えてきたノウハウが詰まっている。例えば、先ほどの割卵機ではどうやって卵の黄身を取り出すか。まずナイフで卵を割ると、中身は丸ごと下のカップに落ちる。カップには細いすき間があり、そこに白身が吸い込まれ、黄身だけが残る仕掛けだ。こうした工夫が見学者の好奇心をくすぐる。

五霞工場では1日約120人まで見学できるが、2カ月前の予約開始から数日で満員になることも。2009年度に同社を見学した人は全国6カ所の工場で年間約10万人に上り、5年間で約1万人増えた。

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