2010/8/16

イチからわかる

中米では米ドル

調べてみると、共通のお金を使うのはユーロのほか、中米・グレナダなど8カ国・地域で利用可能な「東カリブ・ドル」や西アフリカの「CFAフラン」などにとどまることが分かった。2人は海外駐在の経験が豊富な商社マンを訪ねた。伊藤忠商事の川島美裕さん(38)から米国のドルを使う中米のパナマの話を聞くことができた。

運河で有名なパナマは「バルボア」という独自の通貨があるが、1ドル=1バルボアの比率で固定している。硬貨はパナマ独自のものがあるが、紙幣は米ドルだけ。「ほかの中米諸国もタクシーなどで米ドルが使え、便利でした」。三菱商事の松枝直樹さん(44)は「銀行の預金は米国と同じ利息が付きました」。

「共通のお金を使ってうまくいくには経済の構造が似ているといった条件が必要です」と一橋大教授の小川英治さん(53)が教えてくれた。パナマは経済で米国との結びつきが強く、通貨を一緒にしておけば米国との貿易で両替などの費用がかからない。お金の価値が安定し物価も抑えられるからドルを使っている。

近隣や大国のお金を自国内で使う国はパナマのほかにもあるが、経済の規模が比較的小さい国か、アフリカのジンバブエのように経済が極めて悪化した国に限られる。「日本も、という単純な話ではないわね」と2人はうなずき合った。

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