話題の「辞書引き学習」 3カ月後の効果は…

児童の学習意欲を向上させるといわれ、話題になっている「辞書引き学習」。その効果を知るため5月に行われた体験会に記者が親子で参加しました(6月6日付)。子供たちは、その後も学習を続けることができたでしょうか。3カ月後の記者宅やほかの参加者の様子などを紹介します。

「辞書引き学習」は中部大学の深谷圭助准教授(教育方法学)が提唱したもので、言葉への興味・関心が高まり始めたばかりの小学校低学年の児童に国語辞典を与え、生活のさまざまな場面で引くことを勧める学習法。調べた項目をメモした付せんを辞書のページに張ることで、どのくらい辞書を引いたかが実感でき、達成感が得られる仕組みだ。この繰り返しで自ら学ぼうとする「自学力」が身に付き、学力の向上につながるとされる。5月8日の「辞書引き学習親子体験会」に参加した子供たちのその後は――。

学年により違いも

付せんが600枚を超えた次女の辞書

体験会に参加した子供たちの様子を尋ねてみたところ、1~2年生に付せんが1000枚を超えた子が数人いた。開いた辞書のページから知っている事柄を付せんに書いて次々に張っていく作業は、低学年の方が向いている。まだ知識が豊富でない分「辞書=学習の道具」という既成概念をつくらず、遊びの一環にしてしまうようだ。

東京都練馬区の小学2年生の女児は付せんの数に満足感を得て、引いた項目は必ず語釈を読む習慣がついた。体験会の帰りに買った漢字辞典はひとりで引くのが難しいため、親も積極的に協力するようにしている。国語辞典と漢字辞典の2冊を併用することで熟語に興味が広がり、語彙(ごい)が増えることに喜びを感じているという。

辞書が手放せなくなった姉妹

さて、記者宅の2人の娘。小学2年生の妹の付せんの数は600を超えた。順調とはいかないまでも辞書は少しずつ「成長」している。毎日欠かさず実践するというより、時間があれば「辞書引き」をして遊ぶといった様子。分からない語を引くレベルには達していないが、漢字に興味を示す変化も見えてきた。開いた辞書のページにすでに習った字を見つけると「この漢字、知ってる」と得意顔。親がすかさず漢字ドリルに誘導すれば、飽きるまで書き取り練習をする。引き方も知らなかった辞書を遊び道具にすることが、意外にも学習のきっかけになっている。

体験会唯一の高学年参加者だった5年生の姉。高学年は自我に目覚め、単純な反復練習に我慢できなくなる年代であることから「辞書引き学習」の効果が得にくいとされている。実際、宿題や習い事が忙しく、付せんの数も妹より少ない。国語が好きで得意との思いもあってか、2年生の妹と数を競うだけでは満足できないようだ。

深谷准教授の「高学年は各教科で辞書を引く機会を増やすことが大事。低学年のような爆発的な引き方は期待せず、まずは自然体で」との助言をもとに、国語以外の教科でも辞書を使うように促してみた。すると、自分で引いて覚える習慣が徐々につき、知らない事柄を親にすぐに尋ねるということが少なくなった。姉の近くにはいつも辞書が置いてある。

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