「龍馬」と「竜馬」どちらが正しい?

福山雅治さん主演のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の影響もあってか、今年に入ってから坂本竜馬に関するニュースを見ることが多くなりました。新聞などでは「龍馬」と「竜馬」の2つの表記が見られますが、いったいどちらが正しいのでしょうか。
昨年オープンした北海道の記念館では「龍」の字が使われている(共同)

「竜」と「龍」とでは見た目のイメージが違いますが、「竜」が常用漢字(新字)で「龍」がその旧字に当たるという関係になります。「坂本竜馬が生きた時代に常用漢字はなかったのだから、龍が正しい」という考え方がありますが、新聞では歴史上の人物でも新字を使うのが一般的です。例えば「澁澤榮一」は「渋沢栄一」としたほうが読みやすいでしょう。広辞苑(岩波書店)や大辞林(三省堂)といった中型国語辞典も同様に新字で表記しています。

一方「龍馬伝」のようなドラマや著作物の場合、作者の創作意図を尊重して例外的にそのまま旧字を使用することがあり、新聞で「坂本竜馬の生涯を描く『龍馬伝』」のように掲載されることもあります。ただ、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」などは「竜」を使っているので、作品名だからといって必ずしも「龍馬」となるわけではありません。

司馬さんが「龍馬」とせずに「竜馬」とした理由については諸説あるものの、残念ながら正確なところは分かりません。今となっては確認のしようがありませんが、興味深いところです。ちなみに現在小中学校で使われている教科書は、出版社により「竜馬」「龍馬」どちらの表記も見られます。つまりどちらも正しいというのが結論です。

(小林肇)