
もしあなたの目の前に「エビス」か「キリン」のビールのラベルがあったら、よく目を凝らして見てほしい。ちょっとした“仕掛け”が隠されているのをご存じだろうか?
写真(1)は「エビス」のラベル(大・中・小の瓶ビール)。通常、目にしているのが左の写真である。七福神の中でも「商売繁盛の神様」として人気がある恵比寿(えびす)様が、赤いタイを1匹、小脇に抱えている。いかにも縁起の良さそうなイラストだ。
実は、このラベル。数百本に1本の割合で“当たり”が出回っているそうだ。右の写真がその“当たり”のラベルである。人呼んで「ラッキーエビス」――。違いはタイが2匹いること。向かって左手のびくの中から、2匹目のタイが尾ひれをのぞかせているのが見える。
サッポロビール広報室によると、「ラッキーエビス」が初めて登場したのが1998年(平成10年)。当時のブランド担当者が「四つ葉のクローバーのような存在になれば……」という軽い遊び心で始めたのが発端らしい。「エビスビール」「エビス〈ザ・ホップ〉」「エビス〈ザ・ブラック〉」の瓶ビールのラベルが対象だという。
“当たり”ラベルだからといって特に賞品が出るわけでもないし、社として積極的にPRしているわけでもないが、マニアの間では静かなブームになっているようだ。確かに、宴会などで偶然、「ラッキーエビス」に遭遇したら、ちょっぴりうれしいかもしれない。
→次ページは「エビスだけじゃない、ラベルの秘密」