プロの「おしゃれ術」　ネットで手軽に

掲載商品が多すぎて、どれを選べばいいのかわからない。衣料品の通販サイトで商品を探すとき、頭を抱え込む経験はよくあること。そんな時は女性誌の編集者やセレクトショップの店員といった「プロ」が薦めるコーディネートを参考にできるサイトを利用してはいかがだろう。この夏一押しのおしゃれを手軽に楽しむことができるはずだ。

「洋服と小物の相性を参考にしている」。川崎市在住の女性（28）が頻繁に訪れるのは通販サイト「エルショップ」。世界の42カ国・地域で読まれる女性誌「ELLE（エル）」を日本で発行するアシェット婦人画報社（東京・港）が、住友商事の出資に伴い、昨年9月に立ち上げた。

エルショップの中で特に人気が高いのが、編集者による旬のコーディネート術だ。トップページの目につく位置にコーディネートの実例を掲示し、毎週1回必ず情報を更新している。

2日に掲載したコーディネート術のテーマは「モロッコ調の小物でエキゾチックな装いを」。マーブルカラーのワンピースにモロッコ調のストールなど華やかな小物を加え、今年らしい夏物衣料の着こなしを提案している。同社コマース本部の高内紀行本部長は「編集者もモデル撮影などに同行しており、良いコーディネートを分かりやすく伝えられる」と話す。

パリ、ニューヨーク、東京の街角で撮影したファッション感度の高い一般女性のスナップ写真「おしゃれスナップ」も好評だ。センスが光るコーディネートをお手本にして、このコーナーでは編集部が通販サイトから類似の商品をピックアップしている。「世界の流行も一目で分かる」（高内本部長）のが売り物だ。

こうしたプロのコーディネート術に人気が集まるのは通販サイトで紹介される商品が多すぎるから。セレクトショップやアパレルメーカーの通販サイトは自社商品の大半を網羅的に掲載している。消費者からみると、対象が膨大で商品を選びきれない。

例えば、セレクトショップのビームス（東京・新宿）が通販サイトで紹介する春夏物の商品は約7700品目にのぼる。7フロアある大型店のアイテム数に相当する。このため、ワンピースやTシャツ、靴や時計といった旬の商品をまとめて表示するなどサイトに工夫を凝らしている。コーディネートした店舗のマネキンに代わる仕掛けだ。

セレクトショップ最大手のユナイテッドアローズは4月末から「スタッフスタイリング」と題した通販サイトを立ち上げた。日本各地の販売員やバイヤーが自ら商品を身にまとい、コーディネートを紹介するコーナーだ。

最近更新した「ユナイテッドアローズ丸の内店」の提案は男性向け。タータンチェックのジャケットの袖をまくり、キャンバスのスニーカーを合わせる夏向けの軽快なスタイルだ。着こなしの解説と実際に着用した写真を掲載したページから、商品を購入できる。

8つのブランドごとにコーディネートを紹介するため、お気に入りブランドのお薦めが一目で分かる。よく見られたコーディネートはトップ5までランキング形式で紹介している。「販売中の商品のみならず、手持ちの洋服や小物とどう組み合わせるか、コーディネートの提案を参考にしてほしい」。ユナイテッドアローズの相川慎太郎NET通販課長は話す。

洋服のネット通販を注文する前には、サイト上の注意事項に目を通したい。体のサイズの測り方や返品条件などを十分確認しよう。各サイトのお薦めに自分なりのセンスを足せば、この夏はおしゃれに磨きがかかるだろう。（消費産業部　栗本優）