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「姿勢悪い子」増加中 「背中ぐにゃり」は集中力不足の原因に

2010/5/31 日本経済新聞 電子版

いつも背中がぐにゃっと曲がっていたり、左右どちらかに傾いていたり……。小学校の朝会などで真っすぐ立ち続けられない子どもが目立つという。姿勢が悪い児童が増えていると教師が感じている小学校は7割以上にのぼる。専門家は「自分も姿勢が悪いので注意しない親が増えている」と指摘する。
体幹を鍛えて姿勢改善を目指すトレーニング(東京都港区)

千葉県内の小学校の授業参観で、5年生の娘を持つ母親は教室の後ろから見ていて驚いた。保護者の視線を意識する日だというのに極端に前かがみの子、斜めにイスに座り体が曲がっている子ばかりで、姿勢がきれいな子は数えるほどしかいない。挙手をするときは背筋が伸びる。しかし、先生の話を聞いたりノートに書いたりするとき、背中はぐにゃりと曲がっている。思わず隣の保護者と「あんなに姿勢が悪いなんて」とささやきあった。

埼玉県入間市立武蔵中学校は4月、身体測定に合わせて子どもの姿勢をチェックした。「気をつけ」と声をかけても猫背だったり首が前に出ていたりする生徒は4割近くに上った。このため6月には1カ月間、授業前の数分間を使い、全校で姿勢を伸ばすストレッチをする予定だ。

子どもの姿勢の悪さが目立つ。日本体育大学・学校体育研究室などの調査で、姿勢が悪い子どもが増えていると教師が感じている小学校は1979年の44%から2005年には75%に増えた。5年に1回の調査のため今年は集計中だが、「姿勢の悪化傾向は続いている可能性が高い」(阿部茂明・日体大教授)。

「朝会でフラフラして、真っすぐに立っていられない」。虎ノ門カイロプラクティック院(東京都港区)にはこんな小学生が姿勢を改善しようと訪れる。「姿勢が悪いまま成長すると、大学生でも肩こりは多い」と碓田拓磨院長は話す。碓田院長は早稲田大学で「姿勢と健康」という講義を受け持つが、授業を受けた約7割の学生が肩こりに悩み、3割以上の学生が腰痛に悩まされた経験があるという。

姿勢が悪くなる原因としてびわこ成蹊スポーツ大学の新宅幸憲教授は外遊びが少なくなったことによる筋力の低下、携帯型ゲームや携帯電話のメールで長く下を向く時間が増えていることを指摘する。また、「親自身の姿勢が悪いため、子どもに注意しないという影響も大きい」と強調する。

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