どうする終のすみか? 「自宅」VS「施設」 老後コストを比較する

2010/5/24

安心・安全

老後にどこで暮らすか、「終(つい)のすみか」選びは大きな選択だ。日本経済新聞電子版は5月上旬~中旬に、「理想の終のすみか」に関するアンケートをとり、男女689人から回答を得た。調査結果で特に目立ったのが、終のすみかは「現在の自宅が良い」(50.2%)という意見だった。では、老後に自宅で暮らし続ける場合と、介護施設で暮らす場合とでは、サービス、費用にどんな違いが出るのだろうか。ファイナンシャルプランナーで、特定非営利活動法人(NPO法人)「くらしとお金の学校」代表理事の長沼和子さんに試算してもらった。

想定する対象者は80代女性で要介護度は3程度。身体介護が必要だが認知症はない。自宅で会社員の息子と同居しており、訪問介護などを利用している。

一方、施設は介護付き有料老人ホームで、毎月の管理費や食費は約20万円、入居一時金380万円は5年間で償却すると想定した。

すると5年間、介護が続いた場合、在宅では月16万円、施設だと月26万円かかることが分かった(表)。一見して、在宅介護の方が費用負担が軽い。ただ、介護サービスの内容はかなり異なってくる。在宅では毎朝の着替えなどの介助、深夜のトイレ介助、日曜日の介護は息子が担う形になっているからだ。

「深夜、早朝の訪問介護サービスを提供する事業所はまだ少ない。同居家族の負担は非常に重い」と長沼さんは指摘する。介護負担を軽減するため、毎朝の訪問介護サービスと、月4日のショートステイを追加で利用すると約26万円。施設とほぼ同額となる。

もちろん介護施設の利用料金やサービス内容も幅は広く、在宅とどちらが得策かは一概に言えない。ただし、「自宅で暮らし続けるには、本人に我慢することと自立することの覚悟が必要」(長沼さん)なのは確かだ。

自分らしい老後の姿とはどんなものか。費用面ばかりでなく、自分の望む生活スタイルや家族関係など考慮すべきことは多い。健康で元気なうちから、本人、家族ともに考えておく必要がありそうだ。

その他のアンケート結果
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