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月経不順、元気も出ない――若年性更年期障害? まず卵巣機能検査から

2010/4/27 日本経済新聞 電子版

石田洋子さん(仮名、38)は最近仕事が忙しくて体調が思わしくない。元気が出ずに緊張もしていないのにどきどきする。月経は不順なときもある。

近年、若い女性に月経不順に加えて自律神経失調症に悩むケースが増えている。「若年性更年期障害」という言葉が使われることもあるようだが、実はこれは正しい医学用語ではない。

一般に更年期障害とは閉経前後において卵巣機能停止に伴う、のぼせや冷汗、心悸(き)亢(こう)進、憂うつなどの症状で、他に原因がないものをいう。

一方、いわゆる若年性更年期障害には、いろいろな病態が含まれる。一時的に卵巣機能が低下し更年期障害のような自律神経症状が出ている場合や、月経不順ではあるがほかの疾患で自律神経失調が出ているもの、若年で急速に卵巣機能が停止に向かう場合(早発閉経、頻度は少ない)などが含まれる。

一般に正常な月経周期は25日から38日までで1回の変動が6日以内である。正常な幅は比較的広い。

月経不順としては頻発月経(24日以内)、希発月経(39日以上3カ月未満)、無月経(3カ月以上)、機能性子宮出血(7日以上続き止まらない)などがある。月経不順の原因としては主にストレス、過度の運動、体重の変動で、男性化兆候や乳汁漏出を伴うものなどがある。

一方、自律神経失調からみれば、仕事やストレス、うつ状態、冷感症、各種内分泌・代謝性疾患などが原因となりうる。

このような場合、まず卵巣機能をきちんと調べて、一時的に低下しているのか、閉経に向かっているのか、どの程度下がっているのか、を判断する。その上で症状と卵巣機能との関連性、症状を起こす原因はどこにあるのか、ホルモン補充(エストロゲン、黄体ホルモン剤)が必要性なのか、月経調整(黄体ホルモン剤、低容量ピルなど)でよいのかを検討する。

卵巣機能では説明のつかない場合は、独立した自律神経失調として別の原因を調べ、治療を並行して行うべきだ。多様な病態を若年性更年期障害としてまとめて呼ぶことは好ましくない。

石田さんも婦人科で精密検査をしてもらった。卵巣の機能低下は比較的軽く、月経不順の原因は仕事上のストレスによる軽いうつ状態と自律神経失調症であると診断され、治療を続けているという。

(田坂クリニック産婦人科・内科院 長田坂慶一)

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