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名前の流行100年史 戦前は「清」、戦後は… 編集委員 小林明

2011/5/27

時代ごとの解説をさらに続ける。

●「誠」時代(昭和32~53年)

戦後、最も長く続くのが「誠」時代。通算18年、ランキング首位に立った。これはランキングに掲載したすべての名前の中でも最長記録。「高度成長を背景に会社や組織への忠誠心を反映したのでは」という見方も。梶原一騎原作の漫画で後に映画化された「愛と誠」のヒットなども追い風となり、「誠」人気は不動のものに。楳図かずおのギャグ漫画「まことちゃん」は「誠」時代の後期と重なる。

昭和35、36年(1960、61年)に首位に立った「浩」は昭和35年の浩宮さまのご誕生にあやかった名前。「浩一」「浩二」など「浩」が付いた名前も上位に入った。

●「大輔」時代(昭和54~61年)

「誠」に続くのが「大輔」時代。昭和49~53年(1974~78年)は2位だったが、昭和54年から首位に浮上し、一時代を築いた。早稲田実業の荒木大輔選手がブームを巻き起こしたのはこの時期。昭和55年(1980年)生まれの松坂大輔は、母親が荒木選手のファンだったことから「大輔」と命名されたという逸話も。昭和62年(1987年)の「達也」は人気漫画「タッチ」の主人公の名前。人気者や漫画のヒーローが、名前の流行と深く結びついた時代だった。

●「翔太」「大輝」「大翔」の時代(昭和63年以降)

昭和末期からは「樹」「海」「翼」など大自然を連想させる文字が増え、「太」「大」「翔」「悠」など雄大でスケールの大きな文字の人気も高まる。3音、「―た」「―き」「―と」「―や」、「○う○」の名前も定番に。「翔太」(首位計7年)、「大輝」(同4年)、「大翔」(同4年)の順に隆盛期を迎えた。安定成長期を迎え、力強さやたくましさを求める風潮が影響しているとも言われる。

最近、目立つのは「悠」を使った名前。平成18年(2006年)に悠仁さまがご誕生されたのをきっかけに急増し、「悠斗」「悠希」「悠人」「悠真」がベストテン入り。特に「悠斗」が平成20年(2008年)に、「悠真」が平成22年(2010年)にともに2位に食い込むなど、首位に迫る勢いを見せている。

以上をまとめると――

「清」「勇」「勝」が《戦前》、「博」「茂」が《終戦直後》、「誠」が《高度成長期》、「大輔」が《1980年代》、「翔太」が《1990年代》、「大輝」が《2000年(ミレニアム)前後》、「大翔」が《ここ5、6年》――という大まかな時代区分が浮かび上がる。

もちろん例外はあるが、生まれた時代を予想するための目安にはなる。

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