薄毛の仕組みを理解するには、ヘアサイクル(毛周期、図4)のプロセスを見ると分かりやすい。

髪の毛は常に成長しているわけではない。一定の成長期を過ぎると、次第に頭皮方向へと押し上げられて、最終的に抜ける。つまり、成長期(2~6年)→退行期(2~3週間)→休止期(3~4カ月)を経て、最後に抜け落ちるというヘアサイクルを繰り返している。



加齢に伴い、「ヘアサイクル」は短く

このサイクルが加齢に伴い、徐々に短くなり、成長期が短縮することで、髪の毛が十分に伸びずに細いまま頭皮から抜け落ちてしまう。この状態を「壮年性脱毛症」と呼んでいる。

若いころは通常、髪の毛全体の90%は成長期(10%が休止期)にあるが、徐々にヘアサイクルが短くなり、成長期の毛が全体の80%以下(20%以上が休止期)に減る。

髪の毛の本数が減ったり、仮に本数が同じでも髪の毛の太さがより細くなったりするので、毛髪が全体的に薄くなったように感じるというわけ。髪の毛も皮膚と同じように20~25歳をピークに老化し、毛髪を作り出す能力が弱くなる。これが基本的な薄毛のメカニズムなのだ。

薄毛を引き起こす主な原因は男性ホルモンだとされる。

加齢に伴い、血液中の男性ホルモンである「テストステロン」が、毛乳頭にあるレセプター(受容体)と結合し、前頭部や頭頂部の毛髪の成長を抑制するように作用してしまう。こうして、髪の毛の正常な成長が妨げられ、軟毛化し、脱毛を起こすことになる。

「遺伝だから」とあきらめる必要なし

ただ、血液中の男性ホルモンの量が多いほど、薄毛になりやすいというわけではない。毛乳頭にあるレセプターの感受性、つまり男性ホルモンに感度よく反応するという体質が遺伝しやすい。だから、薄毛が遺伝するのだ。

とはいえ、薄毛は生活の環境や習慣にも大きく影響される。正しいヘアケアによっては改善する場合も多いので、「遺伝だから」とあきらめてしまう必要はないそうだ。

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