
今回のテーマは、男性にも女性にも関心がある「薄毛」について。
薄毛といえば「秋の話題か」と受け止められがちだが、さにあらず。実は、夏場こそが毛髪のケアがとても大切な季節なのだそうだ。真夏の日差しは素肌ばかりか毛髪にも容赦なく照りつけている。この強い紫外線が、知らず知らずに髪の毛を痛め付け、頭皮にも予想以上のダメージを与えているらしい。だから、秋になると髪の毛が自然に抜けやすくなるのだ。
そこで今回から2回にわたって、薄毛の不思議なメカニズムを解き明かしつつ、その効果的な防止法について紹介する。
まず薄毛の分類について調べてみよう(図1)。
基本型はM、U、A、O
専門家によると、基本型はM型、U型、A型、O型の4つに分けられる。
・M型――おでこの中央部を残し、両脇(そり込み部分)から後退する
・U型――おでこ全体が広く後退する
・A型――おでこの中央部が後退する
・O型――頭頂部から薄毛の輪が広がる
この基本型のほか、M型とO型が同時進行しているMO型や、U型とO型が同時進行しているUO型などの複合型もある。これらが男性の薄毛の大まかなパターンだ。
一方、女性はイラストのように、加齢とともにつむじや分け目のあたりの薄毛が目立つのが特徴(ただホルモン分泌の関係から、男性に比べると薄毛の進展度合いは相対的に少ない)。
薄毛の部位が異なるのは、各自の体質や遺伝、薄毛の原因などの違いによるため。「親が薄毛だったら遺伝するので注意が必要」と指摘するのは大正製薬・商品開発本部の安西浩之さん。「こうした遺伝や体質に加えて、男性ホルモンの作用、頭皮の血行不良などの条件も加わり、薄毛のパターンがより複雑に異なってくる」と言う。
一般に、前頭部や頭頂部ではより薄毛になりやすく、後頭部や側頭部ではより薄毛になりにくいという傾向もある。これは男性ホルモンの影響を受けやすい細胞が後頭部や側頭部により少ないためだと考えられている。