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20年ごとに築かれた伊勢神宮への道 遷宮の今年は?

2013/8/12

2012年に803万人が訪れた伊勢神宮(写真は内宮)
今年は伊勢神宮(三重県伊勢市)が式年遷宮を迎える年。社殿を造り替える20年に1度の大祭で、新しい社殿に神体を移す神事などが繰り広げられる。地元の三重県では、鉄道網や道路など参宮アクセスも新規に作られてきたという。62回目となる今回の遷宮でもこのジンクスは当てはまるのたろうか。

「伊勢の道は20年ごとによくなるんですよ」。前回遷宮があった1993(平成5)年に三重県で記者生活をしていた当時、地元の人が自慢げに話していたのを思い出す。東京などの感覚だと、1つの神社(正確には伊勢神宮は内宮と外宮に分かれている)に向けて定期的にアクセスルートが築かれるのは珍しいことだろう。

実際に私が三重にいた93年3月、伊勢自動車道(伊勢関インターチェンジ~伊勢インターチェンジ)が全線開通した。現在、マイカーや観光バスで伊勢神宮を訪れる人が多く利用するルートとなった。

■今年は伊勢市から鳥羽市への利便性が向上

今回はどうだろう。三重県庁に確認してみると「伊勢市から観光地の鳥羽市へ向かう新しい道路などが近く完成します」(道路建設課)と説明された。観光客の利便性は高まりそうだが、新しい参宮アクセスというわけではなさそうだ。鉄道では近畿日本鉄道が、遷宮に合わせて10月5日から来年3月30日まで伊勢市駅~賢島駅に元日を除く土日に観光列車「つどい」を運行すると発表している。だがこれも新路線が誕生するわけではない。

ただ、歴史を振り返ると、地元の人が話していたように、伊勢神宮に向かう交通アクセスの整備は明治半ば以降、第2次大戦期を除いてほぼ式年遷宮がきっかけとなっていたことが分かる。

■近代的な伊勢参宮のアクセス初登場は1897年

江戸時代の伊勢参りの様子などを描いた「東海道中膝栗毛」。主人公の弥次さん喜多さんも歩いたであろう街道ルートとは異なる、近代的な伊勢参宮のアクセスが登場したのは、1897(明治30)年のこと。参宮鉄道(後に国有化)が伊勢神宮の外宮の近くに山田駅(現在の伊勢市駅)を開業させたのだ。

この時開通した区間は現在のJR参宮線の一部となっている。ただ、この年は式年遷宮の時期と外れている。明治33年(1900年)にも内宮が建て替えられたが、これは火事による臨時のもの。明治時代の本来の遷宮は1869年、1889年、1909年に行われた。

式年遷宮を意識したアクセス整備は、1909年に参宮線で進められた複線化工事だ。ほぼ同じころ、東海道線もあちこちの区間で複線化工事を進めており、参宮線は輸送客の増加を見込み幹線並みに整備されていたようだ。もっとも戦局が厳しくなった1944(昭和19)年に、複線化された区間は単線に戻され、現在もそのままにされている。

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