今が旬 専門家が食べて薦めるアップルパイ、ベスト10
リンゴをたっぷり使ったアップルパイは、子どもから大人まで幅広い人に愛されるスイーツ。ここ数年は専門店が増え、青森県弘前市は町おこしの目玉にするなど、人気がさらに高まっている。そこで旬のリンゴがおいしい取り寄せ可能なアップルパイを、専門家と試食し、選んでもらった。
素朴な人気者 専門店、味競う
「アップルパイのようにアメリカ的」という表現があるほど、米国人には親しみのあるスイーツ。パイ生地でリンゴを包んだ一品は、いわば「ママの味」で、日本人にとっての味噌汁のような存在という。この伝統を意識する1位の松之助など上位にはパイで包むタイプが多く入った。
もっともお菓子の歴史研究家、猫井登さんによると、欧米ではアップルパイの定義は曖昧だという。クッキー生地のもの、生地を上からかぶせるだけのものなど様々だ。ランキングにもチーズと合わせたり、リンゴを丸ごと使ったりしたものが入った。食べ比べるのも楽しいだろう。
取り寄せ品は冷蔵で届くことが多い。そのまま食べてもおいしいが、オーブントースターで少し焼くと香ばしさが戻ってくる。アイスクリームをトッピングしてもおいしい。自分なりのアレンジで旬の味を堪能しよう。
意外にあっさり 米開拓時代の「ママの味」
ザクザク、とろりのハーモニー 顔立ちも華やか
100年の伝統 酸味とシナモンの香り
地元産紅玉のうまみぎっしり
酸味やわらか ラムレーズンと相性抜群
北海道・余市産の「ふじ」を煮込み、ほろっとした肉厚のパイ生地で包んだ。「包み込んで焼いているため、生地とフィリングがしっとりと一体化している」(平岩さん)。手で持って食べられる小ぶりな三角形のパイは「気軽なおやつのようで親しみやすい」(下園さん)。(1)1個346円(2)http://www.kagurajyu.com/
長野県産の紅玉を皮ごと煮込み、自家製のカマンベールチーズと合わせて焼き上げた。「チーズの香りや塩味が紅玉の甘酸っぱさを引き立てている」(平岩さん)。「皮ごとコンポートされたリンゴが赤色に染まり鮮やか」(山本さん)。(1)2592円(2)http://www.a-fromage.co.jp/
食感が残るよう大きめに切ったリンゴとあめ色になるまで煮たリンゴを手のひらサイズのパイで包んだ。「薄くサクサクのパイ生地に食感が違うリンゴが加わり、香りと酸味、食感のバランスが見事」(藤原浩さん)。(1)6個2490円(2)http://www.l-p-f.jp/index.html
青森県産「ふじ」を1カ月間、まるごとシロップに漬け、パイで包んで焼いた。「リンゴのしゃきしゃきとした食感がよく、切り口も楽しい」(下井さん)。(1)1個(11センチ×11センチ×高さ10センチ)700円(2)(電)0120・55・6300
自家農園で育てた紅玉を皮付きのままバターでソテーし、ハチミツとカルバドスで香り高く仕上げた。「ピンク色に染まったリンゴが美しい。紅茶との相性がよさそう」(藤原さん)。(1)5個2962円(送料込み)(2)(電)0172・88・3836
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表の見方 数字は選者の評価を点数にした。店名、商品名、所在地。(1)サイズと税込み価格。10位以外は送料別(2)問い合わせ先 *記事中のリンクは掲載時のものです
調査の方法 取り寄せができるアップルパイを専門家の推薦により22商品選定。専門家に試食してもらい、リンゴの味や食感、パイ生地とのバランス、わざわざ取り寄せたくなる、などの観点で評価してもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
aiko*(お取り寄せ生活研究家)▽宇多聡子(「エル・ア・ターブル」エディター)▽下井美奈子(スイーツコーディネーター)▽下園昌江(お菓子研究家)▽瀬戸理恵子(フードエディター)▽平岩理緒(「幸せのケーキ共和国」主宰)▽藤原浩(日本フードアナリスト協会常任理事)▽松本学(ご当地グルメ研究会代表)▽村山なおこ(菓子コーディネーター)▽山本諭(菓子ジャーナリスト)
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