初心者でも気軽に お薦めのジャズスポット、ベスト10
若い女性らの間でジャズの人気が高まっている。初心者にもお薦めのジャズのライブハウスを専門家に聞いたところ、高級感あふれる大型店舗から気軽に立ち寄れる老舗まで、多彩なスポットが並んだ。
生演奏に拍手送り一体感
ジャズの生演奏に触れられるライブハウスは、国内外のアーティストが集まる東京だけで100店以上あるといわれる。出演者の熱気を間近に感じ、おしゃれな雰囲気の中で食事やお酒を味わえる。
女性向けのジャズ入門書を書いた音楽ライターの島田奈央子さんは「ジャズライブはアドリブ(即興)演奏が魅力。積極的に拍手を送り、出演者と一緒に楽しんで」と話す。
服装は原則自由だが、平日はビジネスパーソンが多く、ラフな格好だと浮くことがある。「せっかくだから、おしゃれして出かけてみては」と島田さんはアドバイスする。
行きたい店が決まったら、店のサイトで公演スケジュールを確認し、サイトか電話で早めに予約しよう。
演奏は毎晩1組のアーティストが2回することが多い。入れ替え制でなければ2回聴いても構わない。開演前に余裕を持って入店し、食事を先に済ませておくと鑑賞に集中できる。演奏中も飲食はできる。基本料金(ミュージックチャージ)のほかに飲食代を払う仕組みだ。
米国名門の姉妹店 一流の雰囲気に酔う
上質な音楽をリーズナブルに
東京駅すぐで地方客も
硬すぎず、若い客層も来店
1974年に開業。前身となったジャズライブハウスから数えると半世紀の歴史を持つ名門だ。この店に育てられ、今はトップクラスの奏者たちが出演する。「来日中のミュージシャンがオーナーを慕って遊びにくることも多い。特別な気分を味わえるお店」(若林さん)。「店内の音響には定評があるので、どこに座っても良い音で聴ける」(宮脇さん)。食事はコースからパスタまで種類が豊富。基本料金の目安は3800円から。(1)東京・表参道駅徒歩15分(2)約70席(3)サイト・電話(4)03・5466・3348(午後5時以降)
米国シカゴにあった有名クラブハウスの名前を継承して1990年にオープン。関西のジャズミュージシャンの登竜門としても知られており、ベテランのほか、勢いのある若手奏者が活躍する。「東京の有名ミュージシャンの出演も多い」(島田さん)。基本料金は目安が3000円から。毎晩、原則2回演奏で、出演者によっては入れ替え制をとる。ジャズの名曲が流れるバーも併設している。(1)大阪市・西梅田駅徒歩3分(2)約70席(3)サイト・電話(4)06・6342・5821
半世紀の歴史がある老舗。全客席がステージに向いており音楽に集中できる。「日本のジャズはここを見ないと始まらない」(大塚広子さん)。昼と夜に公演。(1)東京メトロ・新宿三丁目駅徒歩1分(2)約100席(3)電話・メール(4)03・3354・2024
「老舗でありながら気軽に入れるお店」(若林さん)。2階のレストランで演奏されるが、1階のバーでBGMのように聴くこともできる。(1)横浜市・関内駅徒歩約5分(2)約90席(3)サイト・電話(4)045・662・0493
大阪の名門クラブハウス。シックな店内で一流ミュージシャンの演奏を比較的割安に聴ける。基本料金の目安は1000~3000円。本格的なコース料理も定評がある。(1)大阪駅徒歩約10分(2)約110席(3)サイト・電話(4)06・6312・8958
小規模だが、演奏と料理のレベルが高く「女性1人でもほっとできる」(杉山千絵さん)、「ワインも充実」(若林さん)と支持が高かった。(1)大阪市・北新地駅徒歩約2分(2)約30席(3)グループは予約を(4)06・6342・5177(午後5時以降)
◇ ◇ ◇
表の見方 数字は専門家の評価を点数にした。(1)最寄り駅からのアクセス(2)席数(3)予約方法(4)電話番号(3位の写真は店舗提供、撮影=米田泰久)
調査の方法 取材を基にジャズの生演奏を楽しめるライブハウスを50店選出。このリストなどを参考に、女性を中心にジャズの初心者にお薦めの店を(1)音楽の水準(2)店の雰囲気(3)料理や酒の充実度(4)コストパフォーマンスの良さなどを総合的に評価し、最大10店まで挙げてもらった。専門家は以下の通り(敬称略、五十音順)
岩見綾(タワーレコード渋谷店ジャズバイヤー)▽及川亮子(代官山蔦屋書店・ジャズコンシェルジュ)▽大須賀進(ジャズ評論家)▽大塚広子(DJ・音楽ライター)▽島田奈央子(音楽ライター)▽杉田宏樹(音楽評論家)▽杉山千絵(ジャズボーカリスト)▽宮脇裕子(ジャズトランぺッター)▽吉野ミユキ(ジャズサックス奏者)▽若林美佐(ジャズベーシスト)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。