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東の1位は富岡製糸場 一度は訪れたい赤レンガ建築

明治の郷愁、市民交流のシンボル

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NIKKEI STYLE

赤レンガ造りの建物は明治・大正期の郷愁を誘う。関東大震災までの50年ほどの短い間に役所や学校、工場など様々な建物が造られた。そこで一度は訪れたい赤レンガ建築を専門家に挙げてもらった。

<東日本>

1位 富岡製糸場(群馬県富岡市) 640ポイント

屋根に日本瓦、建築技術の融合

 近代化を目指す明治政府が1872年(明治5年)に日本初の模範機械製糸場として設けた。繭から生糸を繰り出す繰糸場や繭倉庫などの主な建物はまず木で骨組みを造り、壁にレンガを積み入れる珍しい工法で造られた。
 壁に当時の新材料であるレンガ、屋根に昔ながらの日本瓦を用いるなど西洋と日本の建築技術をうまく融合させている。レンガの長辺と短辺の各面を交互に積む「フランス積み」が美しい。「海外の人たちにも見てほしい」(勇士淑子さん)。6月に製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録された。(1)午前9時~午後5時、料金大人1人500円(2)上信電鉄上州富岡駅から徒歩約15分(3)(電)0274・64・0005
2位 東京駅(東京都千代田区) 480ポイント

日本を代表する威容

 日本銀行本店なども手掛けた明治建築界の大御所、辰野金吾が鉄骨レンガ造りの3階建ての駅舎を設計した。鉄骨の周りに緻密にレンガを積み上げており、駅舎は関東大震災でもびくともしなかったという。使ったレンガは構造用で約752万個にのぼった。
 だが第2次世界大戦の東京大空襲で南北のドームや屋根を焼失し、戦後は2階建て駅舎として再建された。2012年に、約5年の歳月をかけた復元工事を経て創建当時の姿がよみがえった。「日本のレンガ建築の頂点。戦前の意匠に堂々と復元された姿は圧巻」(藤原さん)。12月20日に開業100周年を迎える。JR東日本のホームページに特設サイトがある。
3位 横浜新港埠頭倉庫(横浜赤レンガ倉庫、横浜市) 430ポイント
 

港との相性に思わず納得

 明治時代に、政府が輸入した貨物を関税を留保したまま保管する保税倉庫として建設した。「倉庫といえども決して手を抜かなかった建築家の誇りに感銘を受ける」(米山勇さん)。現在は1、2号館が文化・商業施設となっている。「赤レンガは港がよく似合う」(雨宮健一さん)(1)1号館午前10時~午後7時(2)JR・市営地下鉄桜木町駅から徒歩約15分(3)1号館(電)045・211・1515
4位 北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎、札幌市) 400ポイント
 「開拓使の人々が出てきそうな堂々としておしゃれな建物」(増田彰久さん)の中には北海道開拓の歴史資料などを展示している。(電)北海道庁総務課011・204・5019
5位 旧碓井峠鉄道施設(群馬県安中市) 280ポイント
 トンネルや変電所が緑の中に残る。高さ約91メートルのアーチ橋「めがね橋」は「完成時の人々の驚いた様子を思うだけで楽しい」(佐藤さん)。遊歩道を歩ける。(電)安中市商工観光課027・393・1126

<西日本>

1位 大阪市中央公会堂(大阪市) 360ポイント

威風堂々、市民に愛される存在

 歴史的な建造物が多く並ぶ大阪市の中之島地区の中でも、ひときわ目を引く。赤レンガの壁に青銅のドーム屋根が印象的で「威風堂々とした外観とあわせて、中の空間がすばらしい」(藤原恵洋さん)。大阪・北浜の株式仲買人だった岩本栄之助が現在の価値で数十億円にもなる莫大な私財を大阪市に寄付して1918年(大正7年)に建設した。「大阪商人の心意気を伝え、今も市民に愛されている」(内藤恒平さん)
 2002年に市民の寄付も募って全面改修された。ライトアップした夜の姿も美しい。(1)毎月第4火曜日休館、午前9時30分~午後9時30分(2)地下鉄御堂筋線・京阪電鉄淀屋橋駅から徒歩約5分(3)(電)06・6208・2002
2位 琵琶湖疏水・水路閣(京都市) 340ポイント

アーチ沿いに歩いて鑑賞

 京都振興を目指し、琵琶湖の湖水を京都市へ流すために造られた水路の一部になる。長さ約93メートル、幅約4メートルのアーチ構造のデザインが美しく、今も京都に水を供給している。「水路に沿って歩けるなど赤レンガを身近に感じながら、あらゆる角度から鑑賞できる」(佐藤啓子さん)
 南禅寺境内にあり、「月日を経たレンガがなじんだ風景が美しい」(小池利佳さん)。京都市内には同志社大学や旧日本銀行京都支店など近隣に赤レンガのみどころが多く、足を延ばしたい。(1)水路閣見学は無料(2)地下鉄東西線蹴上駅から徒歩約10分(3)南禅寺のホームページhttp://www.nanzen.net/
3位 舞鶴赤れんがパーク(京都府舞鶴市) 280ポイント
 

旧海軍の倉庫群、今に生かす

 旧日本海軍の兵器倉庫として使われていた赤レンガ倉庫群を改装し「赤れんが工房」や「まいづる智恵蔵」として活用している。市民が原動力となった。赤レンガにちなんだ菓子の発売など地域活性化の手本といえる。「上質なレンガ建築が立ち並ぶ風景を見渡しておきたい」(水野信太郎さん)(1)外観見学は自由、館内は午前9時~午後5時(2)JR東舞鶴駅から徒歩約10分(3)舞鶴観光協会(電)0773・66・1096
4位 長崎の赤レンガ教会(長崎県内各地) 200ポイント
 平戸市の田平天主堂や小値賀町の旧野首教会など2016年の世界文化遺産登録を目指す施設群の一部。「佐世保市の黒島天主堂は背面局面美が絶景」(堀勇良さん)(電)長崎県世界遺産登録推進課095・894・3171など
4位 半田赤レンガ建物(愛知県半田市) 200ポイント
 かつてあった「カブトビール」の醸造工場として1898年(明治31年)に建てられた。現在は改修中で、来春、復刻ビールなども飲める観光拠点として再生する予定だ。(電)半田市役所企画課0569・84・0605

 表の見方 数字は選者の評価を点数化した。名称、カッコ内は所在地、(1)開館時間や大人1人当たりの入場料(2)主なアクセス(3)問い合わせ先 写真は東西各1位以外は、建築写真家の増田彰久さん撮影・提供、東1位は富岡市・富岡製糸場の撮影協力。記事中のリンクは掲載時のものです

独特の素朴な温かみ

明治時代の建物には歴史を感じさせるたたずまいや独特の建築様式がある。市民の間などで保存運動が盛り上がり、東の3位「横浜新港埠頭倉庫」のように風情はそのままに新しく生まれ変わるケースも多い。

建築史家で東京大学名誉教授の藤森照信さんは「赤レンガに思いを寄せる人たちがこんなに多いのは日本や英国くらい。独特の温かみや素朴さが好まれる」と話す。焼成温度によって変わるレンガの色合いも見ものだ。

赤レンガ建築を中心にした地域おこしも盛んで、宮崎県日南市の「油津(あぶらつ)赤レンガ館」は住民有志が買い取り市に寄贈し、交流施設となった。新たな息吹を感じるのもまた楽しい。

<番外> 観光スポットではないけれど

奈良少年刑務所(奈良市)
奈良少年刑務所(奈良市) 施設の性格上、一般的ではないが刑務所には赤レンガ建築の傑作が多い。ジャズピアニストの山下洋輔さんの祖父で、監獄建築を手掛けた山下啓次郎氏の設計だ。敷地内にも複数の赤レンガ建築があるが普段は正門などを外から眺めるだけ。
旧下野煉瓦窯(栃木県野木町)
旧下野煉瓦窯(栃木県野木町) レンガを焼成する窯。中央の1本の煙突をドーナツ状の窯が取り囲む。最盛期に全国で数十基が稼働した。完全形で残るのはここのみ。やや離れた道路から見られるが今は改修中で入場は不可。2016年には観光施設も兼ねた交流拠点となる予定だ。

  ◇  ◇  ◇  

 調査の方法 全国の赤レンガ建築を対象に、「赤煉瓦(れんが)ネットワーク」事務局の協力や専門家の推薦で全国47カ所を選出。候補を基に選者が(1)歴史的な側面や建築物としての価値(2)外観の美しさ(3)商業・観光施設としての楽しさなどの観点からお薦めを原則10位まで選んだ。リスト外は番外として挙げてもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

 雨宮健一(KNT-CTホールディングス国内旅行部)▽小池利佳(公益財団法人日本交通公社客員研究員)▽佐藤啓子(アートプロデューサー)▽内藤恒平(赤煉瓦ネットワーク事務局長)▽藤森照信(東京大学名誉教授)▽藤原恵洋(九州大学大学院教授)▽堀勇良(横浜歴史資産調査会理事▽増田彰久(建築写真家)▽水野信太郎(北翔大学教授)▽勇士淑子(JTB国内旅行企画東日本事業部)▽米山勇(江戸東京博物館研究員)

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