暑い時期に食べたいレモンの焼き菓子 お薦めの10品
蒸し暑い時期はさっぱりした風味を楽しみたくなる。そこでレモンの風味を生かした焼き菓子を調べた。レモンの形を模したレモンケーキやパウンドケーキなど、取り寄せができるものを専門家に選んでもらった。
2段重ねのアクセント
レモン果汁をたっぷり使ったシロップを生地に練り込み、さらに表面にも塗った。「2段重ねのアクセントが印象的で、風味を堪能できる」(吉岡久夫さん)
農薬や化学肥料を通常の半分以下に抑えた特別栽培農産物のレモンは広島県尾道市瀬戸田町産。皮も安心して使うことができ、砂糖漬けにしてトッピングした。「素材がしっかり使われていると感じさせる」(君島佐和子さん)、「一つ一つがずしりと重くて高級感があり、贈り物にも喜ばれそう」(山本諭さん)(1)3個入り1300円(2)www.ichijiku.com/
味のバランスが絶妙
「一口目に感じる酸味はレモンケーキらしさ十分」(君島さん)で、香りが口いっぱいに広がる。生地には発酵バターを使い、「バターの風味とハチミツの香り、レモンのさわやかさのバランスが絶妙」(福田淳子さん)だ。秋口までの販売を予定している。(1)5個入り1150円(2)www2.enekoshop.jp/shop/ashionlineshop/
アールグレイの茶葉入り
自然な香り堪能
果実味豊か
瀬戸内海に浮かぶ岩城島で島特産のレモンを使った加工品を製造・販売する。果汁をたっぷり使った生地の「口に含んだとたんにふわっと広がるレモンの香りが印象的」(宇多聡子さん)。直径18センチあるリング状の形もユニークで「フルーツや生クリームを飾るなどアレンジも楽しめそう」(西さん)。ミニサイズのケーキもあり、夏までにはネットでも販売する予定。(1)1箱756円(2)www.aoilemon.com/
高松市でカフェや洋菓子販売を手掛ける。香川県産の有機栽培レモンの果汁を生地にたっぷり使った。本来レモンは熟しても緑色で、商品名はこの「青さ」にちなんだ。「レモン味のコーティングの口溶け感がいい」(吉岡さん)(1)1個194円(2)www.rakuten.co.jp/shika-k/
瀬戸内海に浮かぶ生口島(いくちじま)の洋菓子店。国内シェア1位の地元・瀬戸田産レモンの皮をたっぷり使った。(1)5個入り1100円(2)www.patisserie-okumoto.com
仏菓子を日本に広めた河田勝彦氏の店で店名は「思い出のとき」の意。生地にレモンの皮と果汁を加え、ケーキをアンズジャムで包む。しっとりとした口当たり。(1)1944円(2)(電)03・3703・8428
「ピールたっぷりでおいしさが詰まっている」(福田さん)。三越銀座店、小田急百貨店新宿店にも店舗がある。取り寄せは電話かファクスで。(1)2本セット1296円(2)(電)03・5379・2174
表の見方 数字は選者の評価を点数にしたもの。商品名、店名、カッコ内は本社・本店の所在地。(1)価格(消費税込み、送料別)(2)取り寄せ先のホームページ(頭のhttp://は省略。記事中のリンクは掲載時のものです)や電話番号
■冷やしてもおいしい
上位に並んだのはレモンの存在感が強くしっとりしたケーキだ。どれも「紅茶が飲みたくなる」(西祐子さん)味。日持ちがするものが多いが、夏場は表面の糖衣が溶けやすいので、冷やしてもおいしい。
昭和40年代に流行したレモンケーキは、再流行の兆しを見せている。当時を知る人には懐かしく、若い人には新鮮でかわいらしい一品。「形は昔のままに、素材と技術と味が進化している」(君島佐和子さん)。その背景にあるのはレモン産地の動きだ。
国産品は広島県や愛媛県などで栽培され、その生産量は2011年時点で5年前に比べて3割増で近年伸びている。「産地が皮ごと食べられる安心感を訴え菓子用に売り込みをかけている」(山本諭さん)といい、昨年広島県で開かれた全国菓子大博覧会もレモン菓子復権の契機となったよう。お茶のお供にぜひ。
◇ ◇ ◇
調査の方法 取り寄せができるレモンを使った焼き菓子のうち、売れ筋や専門家の推薦で27商品を候補に選び、実際に試食して選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
宇多聡子(「エル・ア・ターブル」編集部エディター)▽君島佐和子(「料理通信」編集長)▽瀬戸理恵子(フードエディター)▽西祐子(デパチカドットコム主宰)▽服部吉彦(服部栄養専門学校副理事長)▽福田淳子(菓子研究家)▽藤原浩(日本フードアナリスト協会常任理事)▽村山なおこ(菓子愛好家)▽山本諭(菓子ジャーナリスト)▽吉岡久夫(フードアナリスト)
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