日立が1位 共働きにお薦め洗濯乾燥機ランキング
忙しさから夜遅くに洗濯をする人は多く、乾燥機能付きの洗濯機は注目されている。各メーカーの最上位機種は10万円以上と高額で、消費増税前の今冬のボーナス商戦でも目玉になりそうだ。そこで今回は実際に洗濯機を運転させ、仕上がりも見た上で、共働き家庭にお薦めの洗濯乾燥機を専門家に選んでもらった。
「ナイアガラ洗浄」、60リットルの水循環
「ドラム式の弱点だった衣類の黒ずみやすさをカバーする洗浄方式は評価したい。洗濯のたびに槽を自動洗浄する機能も備え、満足度は高い。乾燥機能を毎日使う人にお薦め」(神原サリーさん)、「汚れ落ち、乾燥の仕上がりがともに優秀で、しわの付きにくさは断トツ。ドラム径が大きく洗濯物を出し入れしやすい」(戸井田園子さん)(1)10キログラム/6キログラム(2)73.5×62×106センチメートル(3)87キログラム(4)0.79キロワット時(0.069キロワット時)(5)53リットル(72リットル)(6)165分(32分)(7)39/39/49デシベル(8)20万円台前半(9)日立アプライアンス、0120・3121・11
ナビ付きの液晶タッチパネル
水の使用量、ドラム並み
「泡洗浄」、頑固な汚れに対応
洗濯液は銀イオン抗菌水
省エネ性能、抜群
衣類・洗濯槽、清潔に保つ
風呂水だけでOK
表の見方 順位の下の数字は専門家の評価を集計。ブランド、製品名(1)洗濯/乾燥容量(2)幅×奥行き×高さ(3)重さ(4)消費電力量(5)標準使用水量(6)目安時間(7)運転音(洗い/脱水/乾燥)(8)価格の目安(11月下旬の大手量販店のウェブ価格、消費税込み)(9)製造元、問い合わせ先電話番号。(4)~(6)は標準コースで洗濯から乾燥まで、カッコ内は洗濯のみ。
■メーカーの特徴はっきり
洗濯乾燥機にはドラム式と縦型がある。ドラム式は縦型に比べ、少ない水を循環させて洗うので節水性が高い。その分、洗剤や柔軟剤が衣類に残りがちなので黒ずみやすくなる。また、縦型より低温のセ氏60度以下で乾かすため傷みや縮みが少なく、電気代も抑えられる利点がある。
実際に各機で洗濯から乾燥まで標準コースで運転してみたところ、型式以上に、メーカーごとの特徴が色濃く出た。
特に顕著な差が出たのが乾燥機能だ。日立アプライアンスはしわの少なさで群を抜く。パナソニックとともにきちんと乾いた。東芝ホームアプライアンスは予想運転終了の時間をしっかり守る印象。節電や節水ではシャープが目立った。
「ドラム式は乾燥機能まで使ってこそ」と家電コンシェルジュの神原サリーさんはいう。干したりアイロンがけしたりといった手間を省くためにも乾き方は吟味したい。しわになりやすい綿100%の衣類は別工程にするなど、工夫が必要だ。
「縦型の乾燥機能は消費電力量が多いので、毎日の洗濯では干すことを前提に、部屋干し時間を短くする目的で使うといい」(神原さん)。自分の生活に照らして使い勝手のいい1台を選ぼう。
■割安感で選ぶなら…
量販店の店頭を飾るのは洗濯乾燥機だが、まだ年間販売台数の7割を乾燥機能のない全自動洗濯機が占めている。専門家が割安感で選んだところ、1位はシャープ「ES-GV90M」(写真、5万円台半ば)だった。洗濯物の布質をセンサーで検知して最適な運転をする。すすぎ1回洗剤用のボタンもあり「シンプルで機能的。独身男性にもお薦め」(毎田祥子さん)。2位はハイアールジャパンセールスの「JW-K60F」。価格は2万円前後で「乾燥機能がいらないならこれで十分」(阿部夏子さん)。
■洗濯物・洗剤、入れすぎNG
ライオンのお洗濯マイスター、山縣義文さんによると、1回の洗濯物の量の目安は洗濯槽の70%ぐらいまでという。容量いっぱいで運転すると、時間や水量、消費電力量が余計にかかってしまい、汚れ落ちにムラも出る。洗濯物が多いなら無理せず、半分ずつ2回に分けた方が効率的だ。
洗剤は必ず適量を守ること。多すぎるとすすぎ残しが衣類の黒ずみや臭いのもととなる。液体洗剤は皮脂汚れに、粉末洗剤は様々な汚れに対応するので洗濯物の内容別に使い分けるのがコツだ。
◇ ◇ ◇
調査の方法 主要6社が自薦する洗濯乾燥機および全自動洗濯機、15機種を「パネルの直感的な操作」「標準コース以外の設定」「タイマーセット」「洗濯物の出し入れ」のしやすさの観点から専門家11人が評価。併行して洗濯から乾燥までを標準コースで実際に行い、洗浄力と乾燥の仕上がりをテスト。その際に消費電力量と使用水量、かかった時間を実測。洗濯物はタオル3キログラムと人工汚染布(JIS採用)を貼り付けたTシャツ1枚、綿100%のYシャツ1枚。乾燥仕上がりでは乾燥度とYシャツでしわの度合いをチェック。量販店以外の専門家にはこの実験結果も踏まえてもらい、全11人に「共働きの忙しい家庭にお薦めの洗濯乾燥機」として採点してもらった。別途「割安感で選ぶ全自動洗濯機」も選出。専門家は以下の通り(敬称略、五十音順)
阿部夏子(「家電Watch」デスク▽安蔵靖志(IT・家電ジャーナリスト)▽磯部吉正(ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba家電コンシェルジェグループリーダー)▽加藤絢子(月刊「IT&家電ビジネス」編集部)▽神原サリー(家電コンシェルジュ)▽関口篤(ビックロビックカメラ新宿東口店まとめ担当主任)▽戸井田園子(家電コーディネーター)▽中田雅人(コジマ成城店洗濯機担当)▽毎田祥子(家事アドバイザー)▽道塚範行(ヤマダ電機商品事業部)▽山口哲也(ケーズホールディングス家電・季節商品部部長代理)
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