「大掃除で面倒な場所」ランキング 1位はやはり…
年の瀬が近づき、大掃除が頭をよぎる時期。毎年の大掃除で面倒だと思う場所をネット調査で聞いたところ、しつこい油汚れが目立つ換気扇や、カビ汚れが気になる風呂場などが上位に並んだ。難所を攻略する掃除のコツも一緒に紹介する。
用具選んで能率アップ
「洗剤の特徴を知って上手に使い分けると大掃除がはかどる」と話すのは、ハウスクリーニング「おそうじ本舗」の技術アドバイザー、尾崎真さん。洗剤はアルカリ性、中性、酸性の3タイプがある。アルカリ性は油汚れ、酸性はトイレの黄ばみや水アカ除去に向く。中性タイプの用途は幅広いが威力は多少落ちる。
東急ハンズ渋谷店(東京・渋谷)の店頭では黒カビ、トイレの黄ばみや尿石除去など用途ごとの洗剤も多く並ぶ。「自然素材を使った環境に優しいタイプの洗剤も増えている」(同店)という。
洗剤を使う際はゴム手袋を利用し、換気も大切だ。「手袋のすそを折り返すと、洗剤が手袋を伝ってたれてきても服が汚れない」(尾崎さん)
掃除場所に合わせたグッズも便利だ。パソコンのキーボードのほこりとりでは、シートやジェル状の素材のもの、モップタイプのものなどが市販されている(写真)。自作の道具も重宝する。針金のハンガーにストッキングをかぶせたほこり取りで家具と壁の隙間やエアコンの上部を軽くこすると、静電気が起きてほこりが吸いつく。
換気扇やエアコンの掃除は最初に取扱説明書を確認することが重要だ。頑固な汚れは力任せにこすったり磨いたりせず、専門のクリーニング業者に相談する方法もある。
換気扇は温めて油を浮かす
【用意するもの】
レンジ用洗剤、ゴム手袋、ぞうきん、歯ブラシ、スポンジ、ラップ、名刺サイズのカード(使い古しのプラスチックカードなど)、大型のゴミ袋、古新聞
▼レンジフード
(1)フード内側の面や溝にたまった油汚れをカードでそぎ落とし、汚れは古新聞で除去
(2)洗剤をスポンジに吹き付け、よくもんで染み込ませた後、フードの内外をこする。汚れがひどい場合はラップで覆い、時間をおいてから
(3)お湯で絞ったぞうきんで一方向にふき、仕上げる
▼ファン
(1)フィルターを外して取り出したファンに洗剤を吹き付け、コップ2杯分のお湯(約400ミリリットル、40度前後)を入れたゴミ袋に入れる
(2)さらに洗剤をファンに吹きつけ、袋の中の空気を抜き、口を縛り、約20分おく
(3)開封後、ファンの羽根部分を歯ブラシで清掃
(4)お湯で洗い流し、お湯で絞ったぞうきんでふき、最後はからぶき
▼フィルター
(1)台所のシンクにぞうきんを敷き、その上に取り外したフィルターをのせる
(2)フィルターに洗剤をまんべんなく吹き付け、スポンジでなじませ上部をラップでカバー。油汚れを浮かすため約10分おく
(3)お湯で洗い流し、からぶき
風呂場の黒カビ、2段階で攻略
【用意するもの】
風呂場用洗剤、カビ用洗剤、歯ブラシ、ラップ、ぞうきん、クエン酸、重曹、スプレーボトル
▼黒カビ
(1)黒カビができた部分にまず風呂場用洗剤を吹き付け、歯ブラシでゴシゴシ洗い、黒カビ表面のせっけんかすなどを除去
(2)からぶきの後にカビ用洗剤を吹き付け、ラップして5~20分おき、こすりながら洗い流す。それでも落ちなければ市販の目地マーカーを塗る
▼水アカ
スプレーボトルにコップ1杯(約200ミリリットル)の水とクエン酸小さじ1を入れて「クエン酸水」を作り、吹き付けてこする
▼排水口のぬめり
クエン酸1、重曹2の割合を目安にして排水口付近に散布し、そこにコップ1杯のお湯を注ぐ(写真)。じゅわっと泡が生じる化学反応を利用して除去
トイレの頑固汚れに湿布法
【用意するもの】
クエン酸水、ラップ、歯ブラシ、研磨剤入りのクレンザー(無ければ歯磨き粉)
▼便器の縁の裏側の汚れや輪じみ
(1)縁の裏側にトイレットペーパーをくっつけ、そこにクエン酸水を吹き付け約10分おく。汚れがひどければ、さらにその上にラップする
(2)洗浄し、汚れが残っていれば歯ブラシにクレンザーなどをつけて磨き落とす
▼トイレの奥や便器と便座の接合部
トイレの奥は柄の長いモップやフロアワイパーで掃除する。においのもとになる便座と便器の接合部は、ネジやスライド式で取り外せるタイプなら外して汚れを除去
網戸に新聞紙、サッシに割り箸
【用意するもの】
窓用洗剤、古新聞、セロハンテープ、掃除機、ぞうきん2枚、割り箸、キッチンペーパー、そうじブラシ(無ければ歯ブラシ)
▼網戸
(1)外側にテープで古新聞を全面にはりつける
(2)内側から掃除機をあて汚れを吸引
(3)片方のぞうきんに洗剤をよく吹き付け、もう1枚のぞうきんで網戸を挟み込んでふく(汚れがひどい場合は、ぞうきん両方に洗剤を)
▼サッシの溝
(1)ブラシでまず溝の汚れをはき出す
(2)割り箸にキッチンペーパーを巻き、ペーパーとサッシの汚れた部分に洗剤を吹き付け、割り箸を上手に動かし汚れを除去。ぞうきんでふいて完了
▼高い場所や手が届かない窓
伸縮式のポールの先にモップやワイパーを取り付けるタイプの道具で対応。「3メートル前後に伸びるものがある」(東急ハンズ渋谷店)。危険な場合もあり、難しければ清掃業者に依頼
◇ ◇ ◇
表の見方 数字は調査結果を点数化。説明文は対処法(ハウスクリーニング「おそうじ本舗」やライオン、ダスキンなどの担当者の話をもとにまとめた)
調査の方法 11月中旬、日経生活モニターを対象に、毎年の大掃除で大変な場所を尋ね、回答をもとに87の選択肢を用意。その後、インターネット調査会社のマクロミルを通じ全国20代から60代までの既婚男女計1000人に「大掃除の際、面倒な場所」を選択肢から最大10個選んでもらい、集計した。ランキング表にあるほか、選択肢には「冷蔵庫の中」「照明器具のかさ」「パソコンのキーボードの間のゴミやほこり」などがあった。
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