ゴルファーが挑みたい名物ホール 東西ベスト5
名物ホールをどう攻略し、楽しむか。全国のゴルフ場の中から挑戦意欲をかき立てられるホールを専門家に選んでもらったところ、海越えショットのスリルや「バンカー地獄」を味わえる様々なホールが上位に並んだ。
東日本
断崖越えのスリル 3番は456ヤードのパー5。「怪物ホール」の異名を持ち、ドライバーで220ヤード以上飛ばせるロングヒッターならティーグラウンドから断崖越えを狙える。世界各国のゴルフコースを手掛けるロナルド・フリームが設計した。「断崖越えのスリル、豪快さは比類がない。正面に磐梯山、背後には安達太良山が位置し特に秋色がまばゆい」（田野辺薫さん）「これほどまでにワイルドなホールを有するコースはほかにない」（米山典子さん）
(1)2000年(2)1万9900円～(3)JR磐越西線猪苗代駅からタクシーで25分(4)0242・67・1234
太平洋の大パノラマ 日本を代表する名門ゴルフ場で、富士コースは宿泊者専用。15番は415ヤードのパー5で、左岸壁沿いに太平洋が広がる打ち下ろしのホールだ。「ティーショットからグリーンまで気が抜けない」（阪田哲男さん）「15番から16、17番と続くホールが勝負を決める」（田野辺薫さん）「打ち出すボールの方向性や高さなどコントロールが要求される」（水巻善典さん）
(1)1928年(2)4万5800円（1泊朝食付き）～(3)JR伊東線伊東駅からタクシーで15分(4)0557・45・1111
浮島の代表格 「コースに恐怖を持ち込んだ」といわれるピート・ダイが日本で初めて設計したゴルフ場で、17番は136ヤードのパー3。「浮島グリーンの代表格」（東寿彦さん）
(1)1988年(2)2万4600円～(3)JR内房線木更津駅からタクシーで約30分(4)0438・53・6100
英名門クラブの橋再現 399ヤードのパー4。ホール途中にある橋は本場、英国のセントアンドリュースの「スウェルケン・ブリッジ」を模して造った。「本場を思い起こさせる橋があり、コースもリンクス風に仕上がっている」（小林明生さん）
(1)1975年(2)7800円～(3)JR東北新幹線那須塩原駅からクラブバス（予約制）で約30分(4)0287・28・1191
正面の池に「逆さ富士」 138ヤードパー3のショートホールで、富士山に向かってショットする。「正面の池に映る逆さ富士は言葉で表現できないほどの美しさ」（江ヶ崎忠晴さん）
(1)1993年(2)2万3800円～(3)富士急河口湖駅からタクシーで約15分(4)0555・85・3611
西日本
潮風読みクラブ選択 沖縄の豊かな自然に恵まれた国内有数のリンクスコースのゴルフ場。8番ホールは120ヤードのパー3で、眼下に太平洋が広がる。海からの風が40メートル超の断がいに跳ね返り、縦に渦巻く。風の影響を読んだクラブ選択がカギになる。「日本には珍しいほど海に近く、絶景」（生駒佳与子さん）「海風との戦いになるが、グリーンに乗せたときの快感は何物にもかえがたい」（東寿彦さん）
(1)1988年(2)1万9215円～(3)那覇空港からタクシーで約30分(4)098・998・7001
風光明媚な景観満喫 大村湾に面し、リゾートホテルも兼ね備えたゴルフ場。3番は海越えのパー3（173ヤード）で高低差約10メートルの打ち下ろし。「海風の状況によって難易度が大幅に変わる」（江ヶ崎忠晴さん）「風光明媚（めいび）な景観を満喫しつつ、一打の重みを痛感するホール」（米山典子さん）
(1)1992年(2)2万2245円（宿泊プラン）～(3)長崎空港から高速船（予約制）で約20分(4)095・884・3990
片側すべて池 ロバート・ジョーンズJr.が設計し、16のホールが池やクリークに絡む。18番は516ヤードのパー5で右側がすべて池のホール。
(1)1987年(2)2万3000円～(3)JR加古川線西脇市駅からタクシーで約10分(4)0795・23・0681
石川選手がチップイン 146ヤードのパー3。右に全長80ヤードのバンカーが口を開けており、グリーン手前は高低差が3メートルある。「2007年、石川遼選手がバンカーに入れた後のチップインバーディーは記憶に新しい」（橋本大地さん）
(1)1991年(2)2万7600円～(3)JR岡山駅からタクシーで約40分(4)0863・41・2311
8つのバンカーの恐怖 リゾート施設「シーガイア」のゴルフ場。4番は309ヤードのパー4。グリーン手前100ヤード以内にはバンカーが8つある。
(1)1971年(2)3万4740円～(3)宮崎空港からタクシーで30分(4)0985・21・1301
■個性光る設計 興奮の腕試し
国内のゴルフ場は現在約2400。本格的に増え始めたのは第2次大戦後で「1960年代前後と80年～90年代にそれぞれピークを迎えた」と日本ゴルフコース設計者協会（東京都港区）の川田太三理事長は話す。日本では英国を始め外国人設計家が手掛けたコースが300を越えるという。
目の錯覚で距離感を分かりづらくしたり、海風の計算が必要だったりと「名ホール、名コースと呼ばれるところは様々な要素を盛り込んで設計している」（川田さん）。
ランキングのホール以外でもユニークなところは数多い。例えば皐月ゴルフ倶楽部・佐野コース（栃木県佐野市）の7番は、通常はパー3～5のところパー7に設定している。964ヤード（バックティー）の長さは世界最長級で、ギネスブックにも載るほどだ。
このほか、フェアウエーにそびえる大木が障害になるホール、まんじ型のバンカーや、池越えが2度も待ち構えるホールを持つコースもある。
◇ ◇ ◇
表の見方 数字は選者の評価を点数化。ヤードはレギュラーティーからの距離。(1)開場年(2)料金（10月の土休日）(3)アクセス(4)問い合わせ先
調査の方法 取材や参考資料をもとに、ビジターも利用できるゴルフ場の「名物ホール」計約50を選定。その中から設計の独自性などの観点で専門家に順位を付けて選んでもらい、ランキングした。選者は次の通り（敬称略、五十音順）。
生駒佳与子（プロゴルファー）▽江ヶ崎忠晴（ゴルフダイジェスト・オンラインゴルフ場ビジネスユニット営業部）▽小林明生（国内約2100のコースでプレーしているアマチュアゴルファー）▽阪田哲男（トップアマチュアゴルファー）▽佐川八重子（桜ゴルフ社長）▽田野辺薫（ゴルフ評論家）▽西ノ内猛宏（ゴルフスタジアム送客事業部長）▽橋本大地（プロゴルファー）▽東寿彦（アルバトロス・ビュー編集長）▽水巻善典（プロゴルファー）▽米山典子（週刊パーゴルフ副編集長）
春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
