野菜がすすむ プロの味「ドレッシング」ベスト10
夏バテ気味のとき、野菜をもりもり食べられるドレッシングを専門家に選んでもらった。油や酢などの調味料のバランスはもちろん、家庭でまねしにくいプロの味かどうかも評価のポイントとした。
すり下ろした国産ニンジンで仕上げた色鮮やかなドレッシング。ニンジンの甘みを上手に出している。野菜と絡みやすいのでレタスやベビーリーフなど葉ものとの相性も良い。常温とチルドの2種類がある。百貨店を中心に全国30店舗で販売している。
「ニンジン臭さがなく、ほのかな甘みと酸味のバランスが良い」(青木敦子さん)、「野菜に野菜をかぶせる感じだが、意外にあっさりしておいしい」(林幸子さん)、「ニンジンのすり下ろし具合が絶妙」(北野旨伸さん)、「トーストに少しつけて食べるのでも合う」(星野訓生さん)
(1)130ml、399円(常温)(2)365日(3)0120・56・2243
熟成した九州産黒酢と国産タマネギの組み合わせは、さっぱりした中にも甘みがある。タマネギのみじん切りはやや大きめで、瓶を傾けるとドボドボと出てくる。シャキシャキした歯応えも楽しめる。
「どんな野菜にも良く合うので重宝する」(立原瑞穂さん)、「黒酢独特のクセがなく食べやすい」(町田えり子さん)
(1)300ml、650円(2)5カ月(3)0120・430・441
香り豊かな国産ショウガと自社で作ったしょうゆを使った暑い時期にぴったりのドレッシング。さっぱりとした味で、空揚げや冷しゃぶなどの肉料理にもおすすめ。
「香りと甘みがすっきりしていて野菜の味とかぶらない。野菜本来のおいしさを味わえる」(林さん)、「ショウガの風味がマイルドなので食べやすい」(星野さん)
(1)200ml、368円(2)1年(3)0120・05・4356
ゴマにワサビを効かせた大人向けのドレッシング。一口目でゴマの風味が広がった後に、ワサビの辛さがツンと鼻を抜ける。カキしょうゆで有名なしょうゆメーカーの自信作。「ワサビの香りが食欲をそそる」(宮路謙太郎さん)、「しゃぶしゃぶなど肉料理にも合いそう」(小島孝夫さん)
(1)220ml、380円(2)6カ月(3)0865・66・6722
やや酸味のあるゴマ風味。ゴマ油、卵黄、しょうゆ、リンゴ酢、きび砂糖など素材を厳選し、何度も試作を繰り返して作り上げた商品。「さらっとしていて野菜の味を消さない」(沢田けんじさん)、「ゴマのつぶつぶ感がアクセントになり、肉や魚のグリルにも合う」(町田さん)
(1)300ml、777円(2)10カ月(3)0120・66・3181
ゴマドレッシングがそれほど普及していなかった20年以上前にできた商品で、長年使い続けるファンも多い。擦り立てのゴマ、三温糖を使って作り出した定番の味。「酸味、甘み、香りのバランスが最高」(吉田由美さん)、「後味の酸味がマイルドでゴマあえやしゃぶしゃぶにも合いそう」(服部吉宏さん)
(1)365ml、714円(2)3カ月(3)078・784・7770
老舗ゴマ油メーカーがゴマ油、練りゴマ、すりゴマの3種類をぜいたくに使って作ったドレッシング。「ゴマの香りが他の商品より濃くて、奥深い味わい」(小島さん)
(1)210ml、735円(2)6カ月(3)0120・50・1158
パラグアイで有機栽培したゴマをふんだんに使った香り豊かな商品。酢と三温糖とのバランスもよい。「温野菜、しゃぶしゃぶ、ごまあえにも合い、汎用性がある」(服部さん)
(1)230ml、577円(2)4カ月(3)0120・11・0132
高級料亭なだ万が販売するドレッシングの中の売れ筋商品。「なめらかで上品な口当たり」(町田さん)、「コクとうまみのバランスが申し分なし」(星野さん)
(1)200ml、525円(2)240日(3)0120・557・842
タマネギ、マスタード、ニンニクの味が効いた人気の手作りドレッシング。ドロッとしたとろみで、どんな野菜にも絡みやすい。加熱しないで作っているため賞味期限が短い。要冷蔵。
(1)330ml、451円(2)60日(3)088・665・7337
■ゴマ定番、風味に違い
野菜はビタミン類やミネラルが豊富で疲れた体の調子を整える効果がある。夏野菜のキュウリやナスは水分も多く、ほてった体を冷やす。ニンジンやパプリカなどに含まれるカロテン、トマトに多いリコピンは、紫外線によってできる活性酵素を抑える抗酸化作用がある。
カロテンやリコピンなどの栄養素は油と一緒にとることで吸収率がさらに高まる。「野菜によってはドレッシングが栄養素を取り込む手助けになるのでうまく活用したい」とNPO法人NSC2000代表で管理栄養士の渡辺聡美さんは指摘する。
ランキング上位には野菜そのものを素材に使ったドレッシングが入った。伊勢丹新宿店バイヤーの上小園結花さんによると「ドレッシングからも野菜の栄養分がとれる」として人気が高いという。
1位の「おろしたてにんじんドレッシング」はニンジン嫌いの子どもでも食べやすい甘みが持ち味だ。2位の「黒酢たまねぎドレッシング」はタマネギをふんだんに使い、黒酢の効果でまろやか。3位の「うまいでしょうがドレッシング」はショウガのさわやかな風味が広がり「ナスとの相性が抜群」(選者の町田えり子さん)だ。
4~9位はすべてゴマドレッシング。「健康にも良く、どの野菜にも合い、汎用性が高いので季節を問わず売れている」(上小園さん)という。
ただ、食べ比べるとそれぞれの特長がある。4位のアサムラサキの「金ごまわさびドレッシング」はわさびが入った珍しい組み合わせ、5位のユーサイドの「胡麻ドレッシング」はやや酸味が強い。
ランキング外だが、ホテルニューオータニの「フレンチドレッシング」、味の素の「GABAN黒胡椒シーザードレッシング」、キユーピーのベストセラー、「深煎りごまドレッシング」も評価が高かった。
■野菜の切り方でよりおいしく
包丁を使う場合、ドレッシングの種類によって野菜の切り方も工夫したい。ゴマドレッシングなどとろみがあって絡みやすいものは「トマトやキュウリも一口サイズでやや大きめに切るのがおすすめ」(選者の町田えり子さん)。一方、絡みづらい油分の多いものは野菜を千切りや薄くスライスして味をなじみやすくする。
ドレッシングのかけすぎは塩分や糖分のとりすぎにつながるので注意が必要だ。ドレッシングが全体に絡むように始めによく混ぜ合わせるとよい。「野菜を食べ終わった後に皿底にオイルが残っているのはかけすぎのサイン」と選者の林幸子さんは指摘する。
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表の見方 (1)内容量と価格(税込み)、(2)製造日からの賞味期限(3)問い合わせ先電話番号。すべて取り寄せ可能。サラダは町田えり子さん試作。
調査の方法 高級スーパーや百貨店の売れ筋や専門家のおすすめを聞き、複数の推薦があったメーカー25社に、その中から各社の売れ筋商品を挙げてもらい、11人の専門家が試食した。選者は以下の通り。(敬称略、50音順)
青木敦子(料理研究家)▽北野旨伸(大丸松坂屋百貨店フーズ統括部バイヤー)▽小島孝夫(野菜と果物店Tee代表)▽沢田けんじ(料理研究家)▽立原瑞穂(栄養士・シニア野菜ソムリエ)▽服部吉宏(成城石井・商品部部長)▽林幸子(料理研究家)▽星野訓生(野菜ソムリエ)▽町田えり子(料理研究家)▽宮路謙太郎(紀ノ国屋グロサリー・PB商品部主任)▽吉田由美(シニア野菜ソムリエ)
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