専門家おすすめ「手土産にしたいクッキー」ベスト10
里帰りや友人・知人宅などを訪問するとき、定番の手土産といえるクッキー。中でも、高級感がある有名菓子店などの詰め合わせ商品なら喜ばれそうだ。スイーツの分野に詳しい専門家10人に、贈り物としてお薦めのクッキーを選んでもらった。
今回のランキングの対象にしたクッキーは、電話やインターネットで取り寄せができ、3千~5千円程度の価格のもの。味のほか、缶のデザインなど、贈り物や手土産として渡す相手が受ける印象も加味して評価してもらった。
ピスタチオやアーモンドの香ばしさが特徴的なものや、フランボワーズのジャム、赤スグリのジュレが入ったものなど8種類の詰め合わせ。フランスで9年間修業したシェフが1981年に開店。フランスの伝統菓子などを基本に焼き菓子のほか、ケーキやチョコレートなどの商品も。尾山台店には店内で食べられる場所があり、東京・日本橋の高島屋にも店舗を持つ。
「風味の良さが際立っており、形、味わい、食感ともに8種類それぞれの個性が明確に異なる」(瀬戸理恵子さん)、「小ぶりで食べやすい」(間野実花さん)、「古典菓子の絵柄缶が渋く、お菓子好きの人への贈り物に喜ばれる」(平岩理緒さん)
(1)345グラム、3600円(2)3週間(3)電話03・3703・8428
バターをふんだんに含んだバニラ、チョコレート、シナモンの3種類。フタに金の双頭の鷲(わし)をあしらった黒い缶にぎっしりと詰まっている。素材のチョコはウィーンの工房で作られたもの。「オーストリア国家公認マイスターの店ならではの風格を感じさせ、ここぞという時にふさわしい贈り物」(平岩さん)、「デパ地下などに店舗がなく、ほかでは買えない特別感がある。グルメな人向け」(溝口桜子さん)
(1)約800グラム、4200円(2)2週間(3)電話03・3582・5689
甘味から辛味がきいたものまで12種類の味が楽しめる。抹茶やぶぶあられなど京都ならではの素材も使う。フタに店の屋根瓦をあしらった缶の絵柄が独特。「七味など塩味のある素材が甘じょっぱさを演出し、大人好みの味わい」(長瀬緑さん)
(1)390グラム、3900円(2)1カ月(3)電話075・708・5133
うっすら塩味のある「サブレアンフィニマンショコラ」やオレンジとアーモンドの相性がよい「フロランタン」など、3種類を上品な赤い箱に詰めた。「素材の風味が鮮烈な大人のための菓子。ワイン好きに贈っても喜ばれる」(町田成一さん)
(1)約465グラム、4200円(2)約1カ月(3)電話03・5485・7766(ピエール・エルメ・パリ青山)
新鮮なバターを使い、添加物は使っていない。「チョコマンデル」や「シェル」など6種類のクッキーから4種類を選ぶ。クマの絵柄入りの透明な箱入り。「ウィーン菓子らしく、チョコやジャムなどをあわせた手の込んだクッキーはうっとりする美しさ」(下園昌江さん)
(1)2650円(2)10日程度(3)電話044・966・7511
木の葉をかたどったウエストの代表作「リーフパイ」や、イチゴジャムを絞って焼き上げたドライケーキシリーズの定番「ヴィクトリア」など7種類の詰め合わせ。「誰にでも喜ばれ、個包装なので保存性もいい。控えめな味わいで、紅茶のおともにおすすめ」(重盛高雄さん)
(1)18個入り、3150円(2)35日(3)電話0120・73・5622
ごま黒糖やトマトなどを使った8種類の詰め合わせ。「流れるような並べ方が美しい。上品な甘さ」(門上武司さん)
(1)88枚(390グラム)入り、3150円(2)1カ月(3)電話03・3539・8086(ホテルショップ「ガルガンチュワ」)
レモン・クッキーやバター・ガレットなど6種類をセットにした箱詰め。種類は季節によって変わる。
(1)26枚(6種類)入り、2160円(2)約2週間(3)http://www.romi-unie.jp/
チョコや卵黄サブレなど10種類以上の味が楽しめる。黒白の縦じまの箱が目を引く。「焼き菓子に定評がある関西ではおなじみの店。老若男女に好まれる味」(長瀬さん)
(1)29袋入り、3150円(2)1カ月(3)電話0120・221・071
プレーンサブレやアーモンドをまぶして焼き上げたものなど9種類の詰め合わせ。缶の絵柄はフランスの布生地をイメージしている。
(1)320グラム、2940円(2)1カ月(3)http://www.mezoputi.com
風味・包装 迷える楽しさ
1位は本格フランス菓子店として知られる「オーボンヴュータン」の詰め合わせ。バターのこくやナッツのうま味などが感じられ「どれにしようか迷ってしまう楽しさがある」(下井美奈子さん)。フランスの古典的な菓子をあしらった絵柄の缶は落ち着きがあり、高級な印象を持たせている。
2位の「ツッカベッカライカヤヌマ」の商品はウィーン菓子。オーナーはオーストリア国家公認マイスターの資格を持つ。金の紋章入りの黒缶が風格を感じさせ、しっとりとした口当たりを評価する声が多かった。
首都圏の店が目立つ中で、関西の店でランクインしたのが3位の「レストランよねむら」と、9位の「ツマガリ」の商品だ。京都市東山区にあるよねむらの祇園本店は「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012」にも掲載され、東京・銀座にも店舗を持つ。
兵庫県西宮市の甲陽園に本店があるツマガリは、関西圏でよく知られた洋菓子の工房。「山王坂」は甲陽園に実際にある町の名前にちなんだ商品名で、地元の人も親しみを持ちやすいクッキーだ。
このほか、泉屋東京店(東京・千代田)や、東京や大阪などに店舗があるウィーン菓子の「デメル」のクッキーを薦める声もあった。
レンジで再生、砕いて再利用
クッキーは湿気が大敵。いったん開けたら、フタや封をきちんとしめ、なるべく賞味期限のうちに食べてしまいたいものだ。常温での保存が基本だが、賞味期限内に食べきれない場合もあるだろう。その場合は「冷蔵庫」や「冷蔵庫の野菜室」など冷暗所での保存をすすめる店もある。
残念ながら、クッキーがしけってしまった場合はどうするか。クッキーとして食べるなら、「電子レンジやオーブンで乾燥させればまたサクサク感がよみがえる」とマノ料理学園の間野実花副園長。しけったクッキーを砕いて、アイスクリームなどにまぶすようにして食べるのも手という。
また「サワークリームや溶かしたチョコレートにつけて食べると、本来とはまた違ったクッキーの味わいが楽しめる」(間野さん)そうだ。
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表の見方 数字は選者の評価を点数化。商品名と店名・社名、本店・本社所在地(1)内容量と価格(税込み)(2)賞味期限(未開封)(3)問い合わせ先やホームページアドレス。記事中のリンクは掲載時のものです
調査の方法 取り寄せができ、3000~5000円程度の有名菓子店などの商品を対象にして、専門家に順位をつけて選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
門上武司(フードコラムニスト)▽重盛高雄(フードアナリスト)▽下井美奈子(スイーツコーディネーター)▽下園昌江(お菓子研究家)▽瀬戸理恵子(フードライター)▽長瀬緑(サヴィ副編集長)▽平岩理緒(「幸せのケーキ共和国」主宰)▽町田成一(dancyu編集長)▽間野実花(マノ料理学園副園長)▽溝口桜子(フードアナリスト)
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