まぜるだけ お手軽パスタソース
何でもランキング
味は本格的 顔ぶれ多彩
年末に向けて忙しくなる季節を迎えた。時間がないときに重宝するのが市販のパスタソースだ。レトルトや缶詰など様々なタイプがあるが、最近売れ行きが伸びているのが、ゆでたてのパスタにあえたりまぜたりするだけで食べられるタイプ。レトルトなどと違ってソースを温める必要がなく、より手軽にできるとあって人気も高まっている。専門家が試食して、おすすめを選んだ。
あえるだけのパスタソースの多くはペースト状のソースが袋や瓶などに入っており、常温で保存できる。ソースを出し、別途用意し温めたスパゲティなどとからめるだけで出来上がる。自宅で食事する内食志向に加え、味の種類が増えていることもあり、よく売れている。「市販のパスタソース市場の約3割を占める」(日清フーズ)という。
ランキングも1位と8位はおなじみのタラコ味だったが、そのほかは多彩な顔ぶれが並んだ。手軽さだけでなく、味もなかなか本格的。エビのうまみを凝縮させたトマトソース、ウニやからすみを使ったソースなど、レストランのメニューのような商品が上位に入った。専門家からは「お店に行かなくても手軽に様々な味を食べられるようになってきた」(島本美由紀さん)などの感想があった。
他の料理の調味料やソースとしても利用できる商品も多く、パッケージにレシピを掲載しているものもある。いため物の調味料、肉や魚のソース、野菜につけるディップなどにも応用でき、「バランスの良い調味料としてほかの料理にも使える」(八木えり子さん)といった声が相次いだ。
中でも、他の料理への使い勝手の良さで評価が高かったのが、9位のドレッシングタイプ。「1回の分量を自分で決めることができ、パスタの新しい手軽な食べ方といえる。サラダや肉のソースとしての使い道もある」(滝村雅晴さん)という声があった。
野菜も一緒にゆでて具を追加
そのままでもおいしいが、少し手間を加えるとより満足感が高まる。専門家に一工夫する方法を聞いた。
まずおすすめなのが、ブロッコリー、水菜、レタス、トマトなど「パスタがゆであがる直前に鍋に野菜を追加する」(池上正子さん)こと。お湯をきったらそのままソースとまぜるだけなのでお手軽だ。食べる前にドライハーブなどをトッピングしたり、粗びき黒こしょうやバージンオリーブ油をかけたりするだけでも「香りがプラスされ、味が引き締まる」(池上さん)。
調理法では「アルデンテにゆで、熱いうちに手早く丁寧によく混ぜることが秘訣」(松井一恵さん)。くぼみのある皿の方がまぜやすい、冷めにくいよう皿を温めるのも忘れないように。
調査の方法 袋入りだけでなく、瓶入りなど「まぜるだけ」「あえるだけ」をうたうパスタソースを広く対象にした。専門家やメーカーへの事前調査で20商品を選出。実際に試食して専門家に順位をつけてもらい、「コストパフォーマンス」「味の本格度」「ボリューム感」「ヘルシー感」についての評価も加点した。選者は以下の通り(五十音順、敬称略)。
池上正子(料理研究家)▽上原悠子(同)▽牛尾理恵(同)▽島本美由紀(同)▽滝村雅晴(パパ料理研究家、ビストロパパ代表取締役)▽土屋敦(料理研究家)▽鳥越美希(同)▽藤原浩(日本フードアナリスト協会常任理事)▽町田えり子(料理研究家)▽松井一恵(フードアナリスト)▽八木えり子(フード&テーブルコーディネーター)▽安井レイコ(料理研究家)
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