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八王子支店のメンバーとバーベキュー。よく話を聞くことを心がけた(本人中央)

八王子支店のメンバーとバーベキュー。よく話を聞くことを心がけた(本人中央)

キリンビールの布施孝之社長の「仕事人秘録」。第5回は八王子支店で地道な酒店営業を重ねた日々を振り返ります。

――本社勤務に憧れるも神戸支店の次は八王子支店への異動を命じられた

入社6、7年もすると優秀な同期は本社で宣伝や商品開発などを担当する部門に異動していきます。「かっこいいなあ。やってみたいなあ」。憧れました。しかし、私が神戸支店の次に配属されたのは八王子支店の営業課でした。1989年の10月のことです。

この頃、キリンビールはあちこち支店をつくっていて当時、東京支社にも7つの支店がありました。私が配属された八王子支店はそのなかでも最も売上高が小さい支店でした。

八王子支店が担当するエリアは東京の西部で私が任されたのは多摩市でした。八王子支店にとって最重要エリアのここで勝てば、支店全体は浮上できる、そんな担当でしたから自然に肩に力が入りました。

といっても、すぐには妙案は思いつきません。まずは愚直に訪問を繰り返し、情報収集です。多摩市のビール需要の中心は多摩ニュータウンですから、団地の商店街の酒屋を丹念に回っていきました。

――自動販売機が重要な役割を果たしていることに気がつく

ある朝のことです。まだ動き出していない酒屋の店頭を眺めていると、自動販売機にいくつも赤いランプがついているのが目に入りました。「売り切れ」を示すランプでした。よく見ると自動販売機のほとんどの商品にこの赤いランプがついています。他の店を回ってみるとやはり同じ。大半の商品が売り切れです。「そうか、これだ」。攻めどころを得た瞬間でした。

当時、酒類の販売はほぼ酒屋が独占、コンビニエンスストアもない時代でした。しかし、夜7時になると酒屋は店を閉めてしまいます。その後は自動販売機が大活躍していたのです。「何とか酒屋の店頭にキリンの自動販売機をおいてもらおう」。この戦術でいくことにしました。

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