ライフコラム

臼井流最高の話し方

初対面決める「10メートル前」 柔和さをアピール

2017/6/14

初対面では笑顔でのあいさつが肝心 PIXTA

 仕事でもプライベートでも初対面の相手に好印象を与える決め手は何だと思いますか? あいさつ、笑顔、言葉遣いなど、いろいろ考えられますね。

 俗に「人は見た目で決まる」といわれているのだから、身だしなみに気を配るのも大切でしょう。第一印象が大切なのは、誰しも分かっています。

 だからといって「見栄え」をよくすれば、好印象を抱いてもらえるとは限りません。たとえば、いかにも高価な服や小物を身につけ、ヘアスタイルやメークも決めた女性が現われたとしましょう。しかも容姿もよいとなれば、「カッコいい」「きれい」と誰もが思うでしょうが、黙り込んだままで愛想が悪ければ、「鼻持ちならない女性」と思うでしょう。「見た目」がよいに越したことはありませんが、それだけでは好印象に映らないのです。

 そうやって考えれば考えるほど、やるべきことがたくさん浮かんできて、パニックになるでしょう。どうしたら、初対面の人に好感を抱いてもらえて、打ち解けることができるか? 私自身、初対面が苦手でしたから、この悩みはよく分かります。

 「怖い人だったらどうしよう」「嫌われたらへこむな」と、悪いことばかり考えていました。そんな自分が嫌で、初対面という場から極力、逃げていた時期もありました。

 でも、私の本心は仲よくなりたい、一度の出会いを長い付き合いにしたいと望んでいました。そんな自分の気持ちに正直になるには、どうしたらいいのか? 自信を持って初対面を迎えるにはどうしたらいいのか? 試行錯誤した末、ある結論に達しました。それが初対面を制する「10メートル前」ルールです。具体的に、説明していきましょう。

 笑顔とあいさつは、初対面の相手であろうと旧知の仲であろうと大切なのは同じです。当然、多くの人が気を配っているでしょう。初対面ならばなおさらで、ドキドキしながらもきちんと笑顔であいさつしているはずです。それを、相手の姿が確認できる「10メートル前」から意識するのです。

■間近になってからの「作り笑顔」は逆効果

 ここでもうひとつ忘れていけないのは、相手にとってもあなたは初対面であるということです。それを忘れると、必要以上に緊張してしまいます。

 なぜ、笑顔とあいさつを「10メートル前」から意識するのでしょうか? それは逆の立場になればわかります。近づいてくる相手が無愛想で、つまらなさそうに歩いてくれば、至近距離で急に笑顔をされ明るくあいさつをされても、話しづらいでしょう。話しかけたい気持ちが薄れてしまうのです。

目にハートを乗せるような意識でやわらかい目つきに PIXTA

 ですから、私は遠目で相手の姿が確認できる、少なくとも「10メートル手前」で笑顔を作ります。そして、「これから素敵な方にお会いする」「楽しい時間が始まる」とプラスのイメージをふくらませ、歩きながら「こんにちは」「初めまして」「おはようございます」などと声にします。

 これは発声練習のようなもの。心地よい声であいさつをするための準備運動です。

 5メートルほど手前では、「口角」が上がっているかをチェックします。そして、いよいよ相手と目が合った瞬間には、笑顔であいさつをするのです。

 その際に目が泳いでいたり、目つきが悪かったりすれば、「10メートル前ルール」で作ってきた笑顔の効果も激減します。口角が上がっていると、自然に目尻が下がり、柔和な表情になります。ただ、肩に力が入りすぎると、硬い表情になり、口だけで笑っている「怖い笑顔」になってしまいますので、この点には注意しましょう。

■「目にハート」で警戒心解く

 これは私の経験則ですが、目は話す言葉以上を語ることができ、気持ちを伝えられると思います。話している内容は立派でも、目が泳いでいる人を見たら、「これは、誰かの話をパクッっているのではないのか?」「自分の考えではないでしょう」などと思うのではありませんか? 「だまそうとしているのかもしれない」と疑うかもしれません。それは、思いを語っていない「死んだ目」だからです。

 私は初対面の人と会うときには、目に「ハートを描く」というイメージを思い浮かべます。もちろん、実際には目にハートを描くことはできませんから、好きな人や大好物、心地よい場所、さわやかな香りなどを思い浮かべます。すると、俗に言われている「目がハート」になるのです。

 その目を見た相手は、あなたの感情を読み取って、次第にあなたの気持ちに同調していきます。これは「生きた目」です。この目で遠くからでも見つめられたら、相手の警戒心も解けていきます。「10メートル前ルール」と合わせて、活用してくださいね。

 次回は、「質問のレベルと仕事のレベルは比例する」です。聞かれてうれしい質問やあえてあいまいな質問をするなど、ビジネスですぐに役立つ質問力を解説します。お楽しみに!

「臼井流最高の話し方」は水曜更新です。次回は6月21日の予定です。

臼井由妃
 ビジネス作家、エッセイスト、講演家、経営者。熱海市観光宣伝大使としても活動中。著作は60冊を超える。最新刊は「今日からできる最高の話し方」(PHP文庫) 公式サイト http://www.usuiyuki.com/

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