「育休社長」の働き方改革 本当はつらい「イクメン」
気になる男性学!(2)
男性の「生きづらさ」に焦点をあて、社会学の文脈から課題を掘り下げる「男性学」。研究者によれば、現代の日本社会では「男性がつらい」状況に拍車がかかっているとの指摘があります。「男は一家の大黒柱」といった社会に根付く昔ながらの固定観念と、「ワークライフバランス」など新しく出てきた概念とのはざまで、男性が葛藤を深めているというのです。過渡期ゆえに、社会の仕組み整備や人々の意識改革が追いついていないことにもかかわりがあるようです。
例えば、社会インフラはなお「子育ては女性が担うもの」という前提で成り立っているものが少なくありません。トップ自らが育児休暇を取得したサイボウズの青野慶久社長。育休期間中、平日昼間に子どもを連れて外出すると、女性用トイレにはあるおむつを替える台が男性用トイレにはないなどたくさんの壁に阻まれて戸惑ったといいます。
子育てに積極的な男性を指す「イクメン」という言葉が一般的になって久しいものの「育休をフルに取ります」とちゅうちょなく宣言できる日本人男性はまだ少数派ではないでしょうか。従来通りの長時間労働を改めないまま、育児や家事もこなそうとすれば、男性の心身への負荷が増すことは明らかです。
男性にも女性にも無理のない働き方改革に欠かせないこととは何なのでしょうか。サイボウズの青野社長へのインタビューから読み解きます。
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