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ポイント、合わせ技でお得 買い物1回で複数獲得

2017/5/18

 買い物などでもらえるポイントのお得感が増している。複数のポイントをまとめて獲得できるほか、高めに還元する動きもある。預金金利が低下するなか、上手に利用できれば「家計防衛」につながるかもしれない。

■数種類から選択方式も

 「ポイントカードが3枚も必要だから、買い物前にちゃんと確認しておかないと」。会社員のAさん(42)は東京都中央区、紳士服店「AOKI」へ入るに前に財布の中のカードを見直しながら話した。Aさんの目当ては1月24日からAOKI全店で導入した「トリプルポイントサービス」だ(注)。

 新サービスは、共通ポイントである三菱商事系「Pontaポイント」、NTTドコモの「dポイント」に加え、AOKI独自のポイントの3つが1回の買い物でたまる。3つのポイントを合計すると200円あたりで8ポイントたまり、付与率は4%に達する。

 複数のポイントを1度にまとめて与える企業がここ1~2年増えている。2月15日に東急ハンズが一部店舗で「dポイント」を導入し、昨年8月にはツルハホールディングスがグループ店舗で楽天の「楽天スーパーポイント」を導入した。いずれも自社ポイントと二重にたまるようにした。

 2003年にカルチュア・コンビニエンス・クラブ系の「Tポイント」が、複数の企業にまたがって使える共通ポイントサービスを始めて以降、ほぼ10年にわたって「1業種に1種類のポイントサービス」というルールが基本的に守られてきた。コンビニ業界ならファミリーマートはTポイント、ローソンはPonta、外食業界ならガストやバーミヤンがTポイント、ケンタッキーフライドチキンはPontaなど、各分野の有力企業とポイント運営企業が排他的に結びついてきた。

 様相が変わったのは14~15年だ。楽天がインターネット通販で使っていた「楽天スーパーポイント」をグループ外の実在店でも使えるようにした。ドコモもdポイントで追随。これに伴い、ローソンがPontaに加え、dポイントも採用するなど、採用企業が複数ポイントを導入し、好きなポイントを消費者が選ぶ方式が増えていった。

 百貨店の高島屋は自社ポイントに加え、16年にdポイント、Pontaを導入。17年には家電量販のコジマもPontaを導入し、自社ポイントと選択制にした。外食では日本マクドナルドが17年3月にdポイントをほぼ全店で導入し、一部店舗では楽天スーパーポイントとの選択制を採り入れた。来年春には食品スーパーのライフコーポレーションもPonta、dポイントを導入し、自社ポイントを加えた3ポイント制にする予定だ。

 共通ポイントの草分けであるTポイントでは「相乗り」が比較的少ない。それでも昨年4月の家庭用電力自由化を受け、東京電力エナジーパートナーが投入した新プランでは電気料金に対してたまるポイントが、TポイントかPontaの選択制となった。昨年からTポイントを導入した三越伊勢丹ホールディングスも、自社系列のクレジットカードでたまるポイント制度が併存する。

(注)2017年4月23日時点

 ポイント相乗りの背景にあるのが、参入の増加だ。楽天ポイントパートナー事業コンサルティング営業部の奥淳己・副部長は「我々はポイント導入に関して排他的な契約は求めない」と語る。楽天が参入した当時、TポイントとPontaによって主要な消費関連企業の陣取りはかなり進んでいた。後発組はこれを切り崩す必要があり、先行組が敬遠した「相乗り」も辞さずに交渉することが当たり前になった。

 楽天に続いたドコモも基本的にこの路線を踏襲しているもようだ。ポイント間の競争は激しくなり、加盟店側は以前より有利な条件でポイントを導入できる例が増えている。こうした状況の下、複数のポイントを採用して顧客サービスの強化や新規客の獲得を狙う加盟店が目立つようになった。

■還元多め、IT系を知る

 4つの共通ポイントが激しい勢力争いを続ける一方、新しいタイプのポイントも登場し、利用者を増やしている。中心にいるのはLINEなどIT系企業だ。

 東京都世田谷区在住の中学3年生B君(14)が今、最も欲しい物は「LINE Payカード」だ。昨年3月、発行が始まったプリペイドカードだ。JCBブランド付きカードで、事前入金した金額まではJCB加盟店でクレジットカードとほぼ同様に使える。与信審査が不要なので、親が同意すれば未成年者も保有できる。

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