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シェリー酒、日本酒好きならお試しあれ 意外な共通点

2017/4/27

PIXTA

 日本酒好きの間で今、シェリー酒がちょっとしたブームになっている。特に、燗酒や熟成酒を好む酒飲みは、シェリー酒にハマってしまうようだ。

 芳醇な純米酒が大好きな女性カメラマンをシェリーバーに一度連れていったら、その多様で深みのあるうまさに目覚めてしまい、なんと知り合いのバーの定休日に店を借りて、シェリーバーを開いてしまった。また、純米酒の燗を売り物にしている居酒屋の女将は、定休日にシェリーバーを訪問することを楽しみにしている。

 シェリー酒と熟成した日本酒には意外にも共通点が多い。それが日本酒好きをシェリー酒に引き付けているのだろう。

 シェリー酒の魅力とはいったい何か? まずは、シェリー酒について簡単におさらいをしておこう。

シェリー酒の醸造所=PIXTA

 シェリー酒は、スペイン南部のへレスという小さな町周辺のごく限られた地域で生産される。フランスのシャンパンと同じように、原産地呼称法によってシェリー酒と名乗れる製造法や産地など条件が決められていて、たとえば同じ製法で造ったとしても、ほかの地域で造ったものはシェリー酒と名乗ることはできない。

 そんなこともあり、日本ではこれまでシェリー酒の認知度は低かったと思う。せいぜい「すっきりした食前酒」程度のイメージだったのではないか。でも、実際には食前酒にとどまらず、いろいろな料理に合う食中酒でもあり、食後のデザートでも楽しめる。

シェリー酒の醸造所での試飲(画像提供:中瀬航也氏)

 シェリー酒はTPOを問わないお酒の万能選手なのだ。

 一方、一部の自称ワイン通は、ワインの劣化した香りを「シェリー様(よう)」と呼んだりして、格下に見る傾向もある。しかし、これも大いなる誤解。

 シェリー酒は、18世紀ごろから英国貴族の間で大流行し、18世紀末にはボルドーの最上級ワイン、シャトー・オーブリオンの2倍近い価格で取引された記録もある。シェークスピア劇にも度々登場する、高貴で歴史ある酒だ。シェリー酒がワインより格下であるわけがない。

シェリー酒とスパイスチーズ=PIXTA

 日本のシェリー酒の第一人者であり、「シェリー・ミュージアム」(東京・五反田)というスペインバルを経営する中瀬航也氏にも聞いてみると、「気楽に飲める。どの料理にも合い、翌日残らない。コルク抜きが不要で、ボトル全部を一度に飲む必要がない。欧州の様々な戦争などを背景として、歴史があり、知的に飲める」とシェリー酒の魅力を次々と挙げてくれた。

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