グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食を旅する

あんこう鍋、シメに焼きそば しょうゆがつなぐ港の味 冬の茨城を味わう(2)

2017/3/7

 あんこうは茨城を代表する味。「東のアンコウ 西のフグ」と並び称される、白身の高級魚だ。シーズン終盤を迎えたあんこう鍋を味わいに、那珂湊にある人気店「すみよし」を訪れた。

 あんこうは深海魚で、普段は砂の下に隠れて、アンテナのような突起でえさをおびき寄せ捕食する。余り泳がず、骨も少ないため体が柔らかく、また体表がぬめぬめしていて、まな板の上ではうまく切れない。そこで「つるし切り」と呼ばれる独特の解体法でさばく。

約15キロのあんこうをつるす

 この日入荷したあんこうは15キロほどのもの。下あごにかぎを引っかけてつるす。小さいものは、口から水を注ぐこともあるというが、これくらいの大きさになると、自らの重みで安定して、包丁がすんなり入っていく。

 まずは、突起と「とも」と呼ばれるヒレを外す。

取り出された「あんきも」

 そして口の周りに沿って切り込みを入れると、皮が、まるで着ているものを脱がせるかのようにはがれていく。

「丸裸」になった腹に包丁を入れると、まずお目見えするのが肝臓。あんこうの肝、あんきもだ。あんこうは通年で獲れるが、冬は特に肝が大きくなるため、寒い時期が旬になる。

えら 鮮やかな赤色

 どんどん包丁を入れていく。えらも切り取る。白身の中にあってえらは鮮やかな赤い色が特徴。あんこうは食べられない部位がほとんどない魚だ。

 胃袋も取り出す。肝に負けず劣らず、かなりの大きさ。

「ぬの」と呼ばれる卵巣は、その名の通り薄い膜のよう。小さな卵が無数に見える。

だい身 写真からも身のぷりぷり感が分かる

 そしてえら周りの軟骨などを外していくと、やっと「だい身」と呼ばれる柳肉が現れる。フグにも似たぷりぷり感が見て取れる。

 こうして、ひれ(とも)、皮、肝、えら、胃袋、卵巣(ぬの)、柳肉(だい身)のあんこうの「七つ道具」がそろった。

 しかし、下ごしらえはこの後が本番。

徹底した下ごしらえの後、やっと鍋になる

 体表を覆ったぬめりは、解体中もぬるぬると流れ続けていて、これが臭みの原因になる。解体した後、塩をふったり、熱湯をかけたり、さらには冷水でしごいたり…数時間かけてこのぬめりを徹底して取り払う。

 なので「すみよし」では、つるし切りしたあんこうをその場で調理したりはしない。

肝から順番に「七つ道具」を鍋に入れる

 さぁ、いよいよあんこう鍋の出番だ。事前に下ごしらえしておいたあんこうで鍋を作る。

 一番最初に入れるのは肝。続いて先ほどの「七つ道具」を次々と鍋の中に入れていく。すべて入れ終わるころには、鍋の底に沈んでいた肝が、スープの表面に浮き上がってくる。

 最後に野菜を入れたら食べごろだ。

グルメクラブ新着記事