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柔軟に要望応える

東京五輪に向けて訪日外国人の増加を見据えるホテル業界。各社は宿泊客だけでなく、外国企業の報奨旅行や国際会議など「MICE(マイス)」の誘致にも力を入れている。藤田観光国際セールスチーフマネージャーの藤田嗣人さん(37)は海外に赴き1件あたり数千万円の案件を獲得する。今年の藤田さんの売り上げは前年より2割以上増える見込みだ。丁寧で迅速な対応を武器に世界の高級ホテルとしのぎを削る。

藤田さんは2012年9月にフォーシーズンズホテル椿山荘東京の販売課に配属された。藤田観光は当時、外資系高級ホテルチェーンのフォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツとフランチャイズ契約していた。だが同年12月に両社は提携を解消することが決まっていて、藤田観光が自社で海外からの招致案件を獲得する必要に迫られた。

そこで藤田さんに白羽の矢が立った。小学生のときに4年半、ニューヨーク州に住んだ経験があり、英語力はネーティブスピーカーの水準。仕事で「外国人のクライアントにも安心感を持ってもらえる」(ホテル椿山荘東京マーケティング課担当課長の真田あゆみ氏)のが強みだ。

藤田さんは営業で中国を訪れ、今年5月と6月の、中国企業による報奨旅行を誘致した実績がある。売り上げはそれぞれ数千万円だ。中国企業から成果を挙げた社員のための宴席について問い合わせを受けた。宿泊するのは別の施設だが、帰国前の最後の食事で「日本らしさ」を感じたいと希望する、その企業に和食会席を提案し、何度も下見や試食ができるよう手配した。

外国人に営業する際、「椿山荘」ブランドの認知度の低さに苦労する。藤田さんは「うちのホテルは見てもらえれば分かってもらえる」と写真をまとめたパンフレットや動画を使ってホテルや日本庭園の歴史について説明した。ミシュランなどの世界的な格付けを引用して説明した。

受け入れにこぎ着けても仕事は終わらない。当初500人だった参加人数が増え続け、900人まで膨らんだ。ホテル椿山荘東京の最も広い会場は収容人数が770人だ。900人は上限を超えていたが、本来は10人掛けだったテーブルを12人掛けにして対応した。

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